自動車運転免許 返納後のお役立ちサービス

高齢ドライバーによる事故のニュースは、高齢の親族を持つ方にとっても他人事ではないですよね。

昨今は、運転免許を自主返納する方が増えてきています。

75歳以上のドライバーが免許更新の時には、高齢者講習だけでなく認知機能検査が義務付けられています。
静岡県は、この認知機能検査で認知症の恐れがある「第１分類」と判定された方の中で、自主的に運転免許証を返納した高齢者数が全国最多でした。
（※2017年9月末時点　警察庁調査）

しかし、車社会である浜松市。
免許の自主返納は、デメリットも多いのが現実です。
そこで今回は、自動車免許返納後に役立つサービスやスポットをご紹介したいと思います。

運転免許証 返納について

運転免許証の有効期限内に手続きします。
県内各警察署運転免許窓口で免許証を返納することができます。

〈1〉返納の手続き

〈2〉運転経歴証明書の交付

返納手続きをされた方は、返納の手続後5年以内に「運転経歴証明書」を申請すると免許証サイズの「運転経歴証明書」の交付を受けることができます。
運転経歴証明書の交付には、手数料1100円が必要です。

運転経歴証明書の交付が出来ない場合

・運転免許証の取消基準に該当している
・免許停止中
・再試験の基準に該当

有効期限

本人確認できる身分証明書として、永年有効です。

本人確認書類としての使用可能

・平成24年4月1日以降に発行された運転経歴証明書のみ。
・住所変更や氏名変更があった場合には、警察署で速やかに変更手続きを行う。

注意したいのが、平成24年4月1日以前に発行された運転経歴証明書です。
その場合は、身分証明としては利用できませんので再交付の申請を行う必要があります。

上記条件が満たされていれば、本人確認資料として銀行や役場で使用可能です。

〈3〉運転経歴証明書の交付場所

浜北警察署を除く県内各警察署運転免許窓口で交付しています。

免許書を返納したら車の運転はできませんので、公共交通機関を利用して行くか、ご家族の運転する車でお出かけください。

浜松中央警察署

浜松東警察署

細江警察署

天竜警察署

西部運転免許センター

自動車免許返納者サポート事業

自主返納者の生活支援を目的として、運転経歴証明書を自治体や店舗などに提示することで、さまざまな特典が受けられるサービスです。

遠鉄バス

自動車運転免許返納後の主な交通手段はバスが多いかと思います。
山間部などはバスの路線も限られていますが、バスは上手に使えばお得に移動できちゃいます。

遠州鉄道バスの特典

●遠鉄バス・電車全区間乗り放題の「シルバーワイドフリー定期券」が65歳以上の初回購入者に限り半額
●遠鉄バス・電車全区間乗り放題の「シルバーワイドフリー定期券」が60歳以上から購入可能
●紹介状を持参しシルバーワイドフリー定期券を購入した場合、紹介者および購入者にえんてつポイント500Pプレゼント

その他の営業所
三方原営業所・細江営業所・雄踏営業所・磐田営業所・鉄道営業所・遠鉄電車(有人駅)・遠鉄トラベル(定期券取扱店舗)

タクシー

バス路線図以外の移動や、時間を気にせずに利用したい方はタクシーを利用する方も多いかと思います。
運転経歴証明書を提示すれば、タクシー運賃の割引が受けられます。

静岡県タクシー協会加盟社・個人タクシー協会事業者の特典

シニアカー購入支援

自宅近くへの移動が多い方であれば、シニアカーの購入も選択肢の一つではないでしょうか。
近頃は、技術革新に伴い、使いやすく高性能なシニアカーが多く販売されています。

シニアカーの注意点

●運転免許は必要なく、操作方法は比較的簡単です。
●ご自宅のコンセントで充電できるタイプが多く販売されています。
●シニアカーは、道路交通法では歩行者として扱われます。
歩行者として、右側通行をするなどルールやマナーを守り安全運転を心がけましょう。

株式会社セリオ　浜松営業所

株式会社スズキ自販浜松

有限会社コサイ自動車

スズキアリーナ湖西

ヤマハ発動機販売株式会社

反射材の贈呈

視界の悪くなる朝方や夕方にかけては、歩行車と車との交通事故に注意が必要です。
反射材を衣服に着けておくことで、車から歩行者を認知しやすくなり、事故予防に繋がります。

内容…自発光式反射材などを贈呈
条件…自主返納時に贈呈
対象者…本人のみ

交通安全協会　浜松中央地区支部
(浜松中央警察署内)

交通安全協会　細江地区支部
（細江警察署内）

自動車運転が心配な方・ご家族

最近、運転が心配になってきた高齢ドライバーやご家族の方も多いと思います。

免許更新のタイミングで75歳以上の方は、認知機能検査が義務付けられました。

更新時期前にも、「忘れっぽいけど、これは年相応なのか」「家族から何を言っても聞く耳を持たない」等の心配をかかえている方もいらっしゃると思います。
家族からの助言は耳が痛いもので、なかなか素直に受け入れられない高齢者の方も多いのではないでしょうか。

そこで、馴染みのかかりつけ医や認知症専門医等の支援を受けながら、ご本人もご家族も双方が安心した生活を送るために、専門病院への受診も選択肢の一つだと思います。

認知症疾患医療センター　聖隷三方原病院

もの忘れ(認知症専門)外来では、診察・MRIや脳血流検査などの画像検査、血液・尿検査、神経心理検査など状態に合わせた各種検査を行い、認知症かどうかの診断を行います。

診察の流れ

<1>紹介状の用意
かかりつけ医に相談し、もの忘れ外来宛の紹介状を用意

<2>受診予約
紹介状の準備ができたら、地域医療連携室に電話して、診察の予約をとります。

<3>受診～治療方針の決定
普段の生活の様子がわかる方と一緒に来院。
診断と治療方針決定後、かかりつけ医に情報提供し、治療の引き継ぎ。

<4>その後
認知症の症状に変化があったら、かかりつけ医に相談し、必要があれば再度診察予約。

家族からの曖昧な指摘では、納得できなかった高齢者の方も、専門の医療者からの助言で納得される場合もあると思います。
医療機関とも上手にお付き合いし、ご本人らしい生活を少しでも長く続けて欲しいですね。

今後の課題

現行のサービスで、すべての問題点に対する解決は難しいかもしれません。

しかし、浜松市民である私達一人一人が現状の問題に対して真摯に向き合うことで、今後サービスが拡充していくと思います。
自動車免許を自主返納した方々やその家族が安心して暮らせる市に近づくことを願います。