1. TOP
  2. 学ぶ
  3. 【JR飯田線沿い編】浜松市の秘境駅ランキング3位の駅や地元の残したい風景・第1弾

【JR飯田線沿い編】浜松市の秘境駅ランキング3位の駅や地元の残したい風景・第1弾

 2019/12/20
学ぶ この記事は約 8 分で読めます。
JR飯田線沿線 大嵐駅

飯田線は、愛知県豊橋市の豊橋駅と長野県上の辰野駅を結ぶJR路線です。

私鉄である伊那電気鉄道・三信鉄道・鳳来寺鉄道・豊川鉄道の4社の鉄道路線が国有化されました。
飯田線となったのは1943年(昭和18年)です。

駅数は94駅。
‪静岡県内では、13‬の駅が浜松市天竜区を走っています。

今回からは、JR飯田線の浜松市を通る駅とその周辺の「地元で残したい風景」をシリーズでお届けします。
秘境駅ランキング第3位の「小和田駅」や静岡・愛知・長野の三つの県を跨いでいる地域駅の「大嵐駅」など、魅力ある風景ばかりです。

「小和田駅」から順次各駅を南下してご紹介していきます。

 

小和田駅(こわだえき)

天竜浜名湖鉄道 小和田駅

1993年(平成5年)、当時皇太子だった徳仁親王と小和田雅子様の結婚の儀で有名になった「小和田駅」です。
お二人の恋愛成就にあやかろうとする人のために、結婚式を挙げることができたり、「愛」と書かれたベンチが東屋に設置されています。

ここは、秘境駅ランキング3位の駅ということでも話題になっています。

車で通行できる道はなく、道路からかなりの距離を歩かなければいけません。

飯田線は‪1時‬間に約1本間隔の運行で、時間帯によっては‪2時‬間も列車が通りません。
しかも小和田駅に降りてもどこへも行けません。

それでも秘境駅を楽しむために降りる乗客がいます。

時刻表を確認すると、上り列車を降りて待つと下り列車が‪1時‬間くらいで到着するダイヤがあります。
その便を利用して、水窪駅で乗り込み、往復乗車券を車内で購入し、小和田駅を下車して周辺を探索するのです。

駅舎の中には、思い出ノートやこの駅で結婚式を挙げた方のお写真などがあります。
駅の裏へ続く細い道を下っていくと東屋があり、愛のベンチが置いてあります。

さらに下っていくと、とうとうと流れる天竜川が見えます。(正式には佐久間湖になります)
向こう岸は愛知県になります。

そうこうするうちに、あっという間に時間が経ち、下り列車が到着します。

誰もいない、静まり返った秘境駅で過ごすのもいいですね。
ロマンが少しと、静寂を味わうには最高の場所です。

 

大嵐駅(おおぞれえき)

天竜浜名湖鉄道 大嵐駅

「大嵐」と書いて「おおぞれ」と読みます。

地名が駅名になりました。
由来は大規模な焼き畑の大きくおこなった「大ぞれ」の意味と、大きな山崩れが訛って「おおぞれ」になったと2説あります。

東京駅を模して造られた駅舎は「みんなの休む処」と名付けられているそうです。

この駅の主な利用者は、駅前にある天竜川にかかる鷹巣橋を渡った、対岸の愛知県北設楽郡富山村の人たちです。
多田源氏一族によって拓かれた隠里という歴史があるそうです。

その面影を残す民族芸能や自然豊かな山村です。
静岡県・長野県・愛知県の境界がこの村の中を通っているのも特徴の一つです。

佐久間ダムの建設により、この大嵐駅から天竜川下流沿いにあった「白神駅(しらなみ)」「天龍山室(てんりゅうやまむろ)」「豊根口(とよねくち)」の3駅が佐久間湖に沈みました。
付け替え工事で、現在の「水窪駅」「向市場駅」「城西駅」「相月駅」が誕生しています。

大嵐駅を降りて、目の前の鷹巣橋を渡ると、周りは高い山と生い茂る自然。
眼下にはゆっくり流れる天竜川。
ぜひゆっくりと滞在したい場所です。

 

水窪駅

天竜浜名湖鉄道 水窪駅

大嵐駅から列車に乗って、長いトンネルを抜けると、「水窪駅」に到着します。
佐久間ダム建設で駅の付け替え工事のために、新しくできた駅です。

大嵐駅・佐久間駅は他の区間と比べると、駅間の距離が長くなっています。

島式ホーム1面2線と、側線を持つ駅で、規模が大きな駅ですが、特急「伊那路」を含む全列車が停車します。

人の乗り降りが多く比較的賑やかな駅でもありますが、無人駅なんです。
自動券売機もないので、乗るときに不安がいっぱいですが、乗車後に車掌が回ってきてくれて、切符の購入ができます。

水窪駅は、小高い丘の上にあります。
見晴らしがよく、町全体を見渡すことができます。

 

水窪駅前つり橋

天竜浜名湖鉄道 水窪駅つり橋

水窪駅の駐車場に出ると、眼下に水窪川があります。
そこからつり橋が見えます。

水窪駅から階段を降り、つり橋を渡って、町を散策するのはいかがでしょう。
町は活気に溢れ、道の駅や消防署、警察所・図書館など充実した町になっています。

縄文時代後半には人が暮らしていました。
その遺跡が点在し、土器も多く出土しています。

また、「塩の道」の宿場町として栄えていました。
いにしえより伝えられた伝承文化や史跡なども多く、見所の多い町です。

栃の実で作った栃餅や刺身こんにゃく・しいたけ・ぼたん鍋・水窪茶など特産品がいっぱいです。

新街道から昔の商店街の雰囲気たっぷり‪の旧街道‬を一周してみて下さい。
散策するにはもってこいの場所でしょう。

 

高根城跡

JR飯田線沿線 高根城跡

水窪町にある標高420mの、久頭合の山頂に築かれた山城です。

平成5年(1995年)に「整備計画策定委員会」が設置。
本曲輪(ほんくるわ)を中心に発掘調査した結果に基づいて、中世の山城が忠実に再現されています。
現在では、本曲輪部分に井楼櫓(せいろうやぐら)、主殿、城門などが復元されています。

近くを流れる河内川が水窪川に合流する地点の自然の堀を利用した山城です。
南北朝時代後醍醐天皇の孫伊良(ゆきよし)親王を守るために、地元豪族の奥山金吾正定則が応永21年(1414)に築いたといわれています。

奥山氏は今川氏に属していましたが、今川義元が「桶狭間の戦い」で討たれたあと、遠江侵攻を目指す武田信玄の軍勢によって落城させられました。

駐車場がある地点が標高293m。そこから127mほど徒歩での登りとなります。
草木の生い茂った細い道を15分行くと、木で組まれた城門が出現します。

壁で囲まれた主殿や、井楼櫓など、戦国時代の中世山城そのもの。
標高が高いので霧も発生しやすく、まるで黒澤映画のワンシーンようです。

大河ドラマ「おんな城主直虎」の撮影では、この高根城が使用されていました。

 

ご紹介の施設詳細情報

小和田駅(こわだえき)

[JR東海]飯田線「小和田駅(こわだえき)」

無人駅

住所 ‪浜松市天竜区水窪町奥領家44‬
駐車場 なし
アクセス バス なし
通行できません
隣の駅 大嵐駅 – [小和田駅] – 中井侍駅

大嵐駅

[JR東海]飯田線「大嵐駅」

住所 浜松市天竜区水窪町奥領家188‬
駐車場 駅前にスペースあり
アクセス バス 平日のみ運行
隣の駅 水窪駅 – [大嵐駅] – 小和田駅

水窪駅

[JR東海]飯田線「水窪駅」

上りのみ快速停車

住所 浜松市天竜区水窪町地頭方973‬
駐車場 あり
アクセス 電車 JR浜松駅より約3時間/JR豊橋駅より約2時間
東名「浜松I.C」より約2時間
隣の駅 向市場駅 – [水窪駅] – 大嵐駅
吊り橋 駅前広場から階段を下りて市街地方面へ向かう橋
全長約50m
人数制限あり

高根城跡

[JR東海]飯田線沿線「高根城跡」

会場住所 浜松市天竜区水窪町地頭方184‬
駐車場 あり
※冬季は凍結のため閉鎖されています
アクセス 電車 JR飯田線「向市場駅」から南西に徒歩約20分
東名「浜松IC」より約2時間

 

JR飯田線沿線(浜松市)を巡って

今回から、JR飯田線とその周辺の風景を紹介していきます。

列車は1~‪2時‬間に1本のダイヤですが、全国的に人気が高く、テレビでもよく紹介されています。

ほとんどが無人駅。
ホームしかないような駅も多いですが、ひとつひとつ訪ねていくと、意外な歴史があったり、その周辺に魅力ある風景がたくさん発見できました。

次回もJR飯田線の駅を巡っていくので、お楽しみください。

\ SNSでシェアしよう! /

we love 浜松〜浜松エンジョイ情報倶楽部〜の注目記事を受け取ろう

JR飯田線沿線 大嵐駅

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

we love 浜松〜浜松エンジョイ情報倶楽部〜の人気記事をお届けします。

  • 気に入ったらブックマーク! このエントリーをはてなブックマークに追加
  • フォローしよう!

    この記事をSNSでシェア

この記事を書いたひと

山下清生

山下清生

浜松工業高校デザイン科卒。
3年間印刷会社でデザイナーを経験したあと、ヤマハ発動機(株)勤務。
定年を迎えましたが、引き続き勤務中。

だから、昔から好きだった絵を描くことを再開しました。
(まだ5年くらいは働きますが・・・)
今、描きたいものが、たくさん目の前に現れています。
--------------------------------------------------------
<受賞歴>
2020年 2月 「浜松市芸術祭第67回市展」入選
2020年11月 「日本国際水彩画会秋季秀作ネット展2020」入選
2021年 4月 「第21回日本国際水彩画交流展」入選
2021年 6月 「第4回日美展・絵画部門」入選
2021年 9月 「第45回記念新日美展」佳作入賞
2021年11月 「JIWI秋季国際水彩画展2021」入選
2022年 1月 「浜松市芸術祭第69回市展」入選
2022年 6月 「第5回日美展 絵画部門」優秀賞
--------------------------------------------------------
◆絵だけでなく小説の執筆活動にも挑戦していました。

1996年(平成8年) 作品「こちら何でも相談室」創元推理短編賞 
2001年〜2005年頃 掛川市大須賀に在住のミステリー作家の「木谷恭介」に弟子入りして、木谷工房に参加
         「玉沖好也(たまおきよしや)」というペンネームで一部下書きとアイデア出し、表紙を担当させていただきました。
2012年(平成24年) 作品「二俣城備忘録」伊豆文学賞 
2020年(令和 2年) 作品「二俣城攻防録」ふじのくに芸術祭2020文学部門小説の部 奨励賞
2021年(令和 3年) 作品「潮流(万石事件)」ふじのくに芸術祭2021文学部門小説の部 入選