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【姫街道編】地元の残したい風景(2)

 2019/07/23
学ぶ この記事は約 7 分で読めます。
姫街道 姫岩

浜松市には、昔から変わらない情緒豊かな自然や建物などが現存しています。

今回we love 浜松の読者の皆さまにお届けするのは、北区気賀「姫街道周辺の風景」の第2弾です。

姫街道は、浜名湖の北側、静岡県磐田市見付町と愛知県豊川市御油町を結ぶ約60kmの街道です。
宿場町・関所で賑わった浜松の要所でした。

明治以降、新姫街道として新たに敷設された街道ができたため、旧姫街道は廃道となり荒れてしまいました。
その後、復元に向けて有志による「姫街道を守る会」が結成されるなど、歴史の道として整備されるようになりました。
比較的散策しやすいルートです。

浜松について何か感じていただけるひと時になりますように!

 

姫街道 山田の一里塚

姫街道 一里塚

前回紹介させていただいた山村修理の墓から、西へしばらく姫街道を登っていくと、「山田の一里塚」があります。

主要な街道の一里(約3.927キロメートル)ごとに、こうした塚をつくり、榎や松などを植え、旅人の休憩地、道しるべとなりました。
東海道の湖上を渡る今切れの渡しが危険だったり、地震津波で渡航不能だったしして、姫街道が同等の主要街道だった時もあり、一里塚が存在しています。

距離以外にも、駕籠や人足、人馬の賃銭の目安となっていました。
ここは江戸日本橋から69里の距離(約270km)です。

「くたびれたやつが見つける一里塚」 誹風柳多留 と案内看板にありました。

 

巨人伝説の池[ダイダラボッチの足跡]

姫街道 ダイダラボッチの足跡

山田の一里塚からさらに西へ。姫街道を下っていくと、アスファルトの生活道路と交わります。
道路脇の民家の前に小さな池があります。

案内看板が立てられており巨人伝説の池「ダイダラボッチの足跡」と書かれています。

巨人伝説は日本中にあり、琵琶湖を掘った土を運んで、富士山を造ったといわれているダイダラボッチ。
途中転んでついた手の跡が浜名湖だそうです。

おにぎりの中に入っていた小石を浜名湖にプッと吐いて捨てたら、それが礫島(つぶてじま)になったとか(礫島は、浜名湖の中の唯一の島です)。

とにかくスケールの大きな伝説がたくさん残っています。
その足跡が池となっていました。
そんなファンタジーに満ちた想像をかきたてる場所でもあります。

 

小引佐峠から見える風景

姫街道 小引佐峠から見える風景

ダイダラボッチの足跡から西へ、300メートルを登ると、景色の良い小引佐峠の頂上付近にでます。
前回の投稿では、姫街道の峠道「小引佐の石畳」と、前回投稿させていただいた同じ場所から見える風景です。

姫街道の中で景勝の地として知られています。

遠く浜名湖を渡る橋は、東名高速道路の橋です。
さらに向こうにはパルパルの大観覧車などが見えます。

絶景を観ながら、峠を渡る風に吹かれるのも、気持ちの良いひと時です。

 

姫街道石畳

姫街道石畳

少し離れて、オレンジロードを西に進みます。
引佐峠から東へ100メートルほどのところに、東屋とトイレが併設されています。
その南側に東西に続く細い道を見つけます。
その道が姫街道となっています。

東屋の裏の姫街道を東の方向に下っていきます。
石で組まれた階段の向こうは、ずっと石畳が続いています。

京へ上るにしろ、江戸へ下りにしろ、峠が多く、上り下りばかりの姫街道には石畳が必要だったのでしょう。
石畳を踏みしめて、時々見える浜名湖の風景を眺め、当時の旅の雰囲気を味わいました。

 

姫岩

姫街道 姫岩

東屋の裏の姫街道を東の方向へ1.7キロメートル石畳を降りていくと8畳ほどの平らな岩があり、姫岩と呼ばれています

案内看板には「眼下に浜名湖を望み、街道随一の眺めのよい所です」と書かれています。
現地へ行ってみると前方は雑木に覆われ、浜名湖を見ることはできませんでした。

まだこれから峠を行かなければならない大名行列や、お姫様が、休憩するのに絶好の平岩があったので、そこで休憩したのだろうと想像はつきます。
案内看板には「近くには、お姫様に上げるお茶の湯を汲んだと言われている姫様井戸が今も残っています」とあります。

山の中でも、休憩ができて、水分が補給できるこの場所は、絶好の休憩場所だったと思います。
また「この上に座ると良いことが起こるとも言われています」と案内看板に記されていました。
姫岩に座って、お姫様気分はいかがでしょう。

案内看板からの抜粋転記
・眼下に浜名湖を望み、街道随一の眺めのよい所です。
・くには、お姫様に上げるお茶の湯を汲んだと言われている「姫様井戸」が今も残っています。
・この上に座ると良いことが起こるとも言われています。

 

姫街道見どころの詳細情報

山田の一里塚

山田の一里塚

住所 浜松市北区江町気賀
見学時間 自由
駐車場 なし
アクセス バス JR浜松駅北口バスターミナルより気賀駅行き 約1時間10分乗車
JR浜松駅より舘山寺街道と県道49号線経由 約38分

 

巨人伝説の池「ダイダラボッチの足跡」

巨人伝説の池「ダイダラボッチの足跡」

住所 浜松市北区細江町気賀9345
見学時間 自由
駐車場 なし
アクセス バス 電車

 

小引佐峠の頂上付近・姫街道の小引佐の石畳

住所 浜松市北区細江町気賀9978-10
見学時間 自由
駐車場 なし
アクセス バス JR浜松駅北口バスターミナル 遠鉄バス40番三ケ日車庫行き約1時間乗車→「西気賀」下車→徒歩約10分
電車 天竜浜名湖鉄道「西気賀駅」→徒歩約10分
JR浜松駅より舘山寺街道経由約43分

 

姫街道石畳

姫街道石畳・象鳴き坂・姫岩

住所 浜松市北区細江町気賀
見学時間 自由
駐車場 駐車スペースあり
アクセス バス JR浜松駅北口バスターミナルより三ヶ日車庫行き乗車 約1時間40分
県道364号 と 東名高速道路 経由 約42 分

 

姫街道を散歩して・・・

今回は細江気賀の一里塚から姫岩までの徒歩で約10分圏内。
昔の旅人気分で上り下りの坂もありましたが、車が通らないのでゆったりと散策できました。
「ダイダラボッチの足跡」のような伝説にまつわる場所だったり、休憩場所に使われていた言い伝えがある姫岩など見どころには案内板があるので、観光ウォーキングしやすいです。

浜名湖の北側をめぐる姫街道には、他にも「象鳴き坂」「石投げ岩」など、まだまだいつまでも残したい風景がたくさんあります。
未踏ですので、今回はこれで了とさせていただきます。

次回は、「秋葉街道(国道125号線)沿い編 地元で残したい風景」をお届けします。
お楽しみに!

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姫街道 姫岩

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この記事を書いたひと

山下清生

山下清生

浜松工業高校デザイン科卒。
3年間印刷会社でデザイナーを経験したあと、ヤマハ発動機(株)勤務。
定年を迎えましたが、引き続き勤務中。

だから、昔から好きだった絵を描くことを再開しました。
(まだ5年くらいは働きますが・・・)
今、描きたいものが、たくさん目の前に現れています。
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<受賞歴>
2020年 2月 「浜松市芸術祭第67回市展」入選
2020年11月 「日本国際水彩画会秋季秀作ネット展2020」入選
2021年 4月 「第21回日本国際水彩画交流展」入選
2021年 6月 「第4回日美展・絵画部門」入選
2021年 9月 「第45回記念新日美展」佳作入賞
2021年11月 「JIWI秋季国際水彩画展2021」入選
2022年 1月 「浜松市芸術祭第69回市展」入選
2022年 6月 「第5回日美展 絵画部門」優秀賞
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◆絵だけでなく小説の執筆活動にも挑戦していました。

1996年(平成8年) 作品「こちら何でも相談室」創元推理短編賞 
2001年〜2005年頃 掛川市大須賀に在住のミステリー作家の「木谷恭介」に弟子入りして、木谷工房に参加
         「玉沖好也(たまおきよしや)」というペンネームで一部下書きとアイデア出し、表紙を担当させていただきました。
2012年(平成24年) 作品「二俣城備忘録」伊豆文学賞 
2020年(令和 2年) 作品「二俣城攻防録」ふじのくに芸術祭2020文学部門小説の部 奨励賞
2021年(令和 3年) 作品「潮流(万石事件)」ふじのくに芸術祭2021文学部門小説の部 入選