【JR飯田線沿い編】水窪や佐久間の地元の残したい風景 第3弾
「飯田線沿い 地元で残したい風景」第3弾をお送りします。
前回は足神神社・山住神社などの神社と、向市場駅・西城駅を紹介してきました。
今回は、佐久間ダムを中心とした飯田線沿いの風景画をお送りします。
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「西浦観音堂」
水窪駅前から、150号線を北へ5キロほど進むと、左への曲がる道があります。
九十九折を登っていくと、観音堂への階段があります。
2020年は、2月11日(火)の日の入りから翌日12日(水)朝8時まで、西浦観音堂で「西浦田楽」が行われました。
観音堂前の敷地は、奉納の舞の見学者が50人も取り巻くと、いっぱいになるくらいの狭い場所でした。
西浦田楽は1300年以上続く、国の重要無形民俗文化財に指定されているお祭りです。
柳田國男や折口信夫など、著名な民俗学者も関心を集める奇祭です。
この観音堂は、西浦田楽の時に御開帳になります。
719年(養老3年)に行基が旅の途中で立ち寄り、観音像と数個の仮面を作ったと伝えられています。
そこから田楽が始まったそうです。
西浦観音堂の前で、長時間に及ぶ奉納の舞が繰り広げられ、全国からこの祭りに惹かれた老若男女が集まります。
西浦田楽の奉納の舞については、この【飯田線沿いシリーズ記事】が終了後「浜松民俗芸能編」でご紹介します。
お楽しみに!
「相月駅」
佐久間ダム建設に伴って、佐久間駅から大嵐駅の路線変更により1987年(昭和30年)に新しくできた駅のひとつです。
単式のホームで、待合室があるだけの無人駅です。
この駅を車で探したんですが、なかなか見つかりませんでした。
何回か通り過ぎて、カーナビで示している地点へ行くと石垣がありました。
見上げると、「ああっ、ここにあった」と気がつきました。
駅の前後はトンネルに挟まれていて、南側に「峰トンネル」があります。
ここは飯田線では2番目に長いトンネルだそうです。
周りは数件の民家があるだけで、森林に囲まれた静かな駅です。
「佐久間駅」
かつては島式ホーム一面と側線がありましたが、今は一面一線になっている無人駅です。
旧駅舎跡は、佐久間図書館になっていて、こちらが佐久間駅に間違えそうです。
1936年(昭和11年)に三信鉄道によって開かれた佐久間水窪口停留所でした。
1941年(昭和16年)に佐久間駅と改称され、佐久間ダムの建設で佐久間駅-大嵐駅の路線付け替え工事により、現在の佐久間駅になりました。
開業当時は500メートル西側に駅がありました。
佐久間ダム完成当時は、観光客で賑わったそうです。
佐久間中学校の最寄り駅でしたが、平成19年に中部天竜駅寄りになったために、乗降客がますます減ってしまったそうです。
余談ですが、元巨人軍の江川投手がここの中学校出身だそうです。
「佐久間ダム」
高さ155.5メートルの重力式コンクリートダムです。
高さは日本第9位、総貯水量は第8位の日本屈指の巨大ダムになります。
1956年(昭和31年)着工からわずか3年で完成されました。
発電量は年平均約14億kWhで一般水力発電所としては、最大級になります。
このダムの目的は、洪水調整と水力発電になります。
日本の周波数は東日本50Hz、西日本60Hzです。
佐久間発電所の発電機4機すべてがどちらの周波数も発電できるようになっているそうです。
ダム堰堤の横に佐久間電力館があり、発電の仕組みや、ダムの着工から完成までの記録ドキュメント映像が放映されています。
ダムの堰堤を望む佐久間電力館の屋上からの眺められ、その規模の雄大さに目を奪われます。
「佐久間ダム湖」
ダム湖100選に選定され、天竜奥三河国定公園にも指定されている「佐久間ダム湖」。
ダムによって造られた人造湖なので「佐久間湖」と命名されています。
静岡県と愛知県の県を跨いだ天竜川渓谷にあります。
貯水量は、琵琶湖の4倍ともいわれています。
このダム湖を形成するために、飯田線の大嵐駅から天竜川下流沿いにあった「白神駅(しらなみ)」「天龍山室(てんりゅうやまむろ)」「豊根口(とよねくち)」の3駅が佐久間湖に沈みました。
1956年(昭和31年)8月に完成。
付け替え工事で、現在の「水窪駅」「向市場駅」「城西駅」「相月駅」が誕生しています。
毎年10月最終日曜日には、ダムの未来永劫の繁栄と、建設時の住職者の慰霊にはじまった「佐久間ダム祭り」が行われています。
船に乗った竜神が湖面に現れる「竜神渡御」や「竜神の舞」「湖上花火」などが催されています。
ご紹介施設の詳細情報
奈良時代から続く祭りがある「西浦観音堂」
住所 | 浜松市天竜区水窪町西浦 |
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イベント | 【西浦田楽】 国指定重要無形民俗文化財 毎年、旧暦1月18日の月の出から、翌日の日の出に開催 |
拝観料 | 無料 |
駐車場 | なし |
アクセス | 電車 JR水窪駅から徒歩で10分 車 新東名「浜松浜北IC」から車で国道152号線経由 約80分 |
2つのトンネルに挟まれている駅「JR飯田線 相月駅」
※無人駅
住所 | 浜松市天竜区佐久間町相月883 |
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隣接駅 | 佐久間駅 – [相月駅] – 城西駅 |
施設 | トイレあり |
駐車場 | なし |
アクセス | 電車 JR浜松駅から約30分乗車→JR豊橋駅で飯田線に乗り換え約2時間 車 JR浜松駅方面から152号線を北上 約1時間半 |
「佐久間図書館」と駅待合室が併設のJR飯田線「佐久間駅」
※無人駅
住所 | 浜松市天竜区佐久間町佐久間 |
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隣接駅 | 中部天竜駅 – [佐久間駅] – 相月駅 |
図書館 住所 |
浜松市天竜区佐久間町佐久間2431-3 |
図書館 開館時間 |
【4月~9月の平日】 10:00~18:30【10月~3月の平日】 10:00~18:00【土・日】 9:30~17:30 |
図書館 休館日 |
月曜日 ※祝日の場合は翌火曜日も休館 祝日 年末年始(12月29日~1月3日) 館内整理日 ※年3回程度 9・11・2月の第4木曜日 |
図書館 駐車場 |
5台分 |
アクセス | 電車 JR浜松駅 約30分乗車→JR豊橋駅→飯田線に乗り換え 約2時間乗車→「佐久間駅」 車 JR浜松駅方面から国道152号線経由北上 約1時間半 |
佐久間ダム・佐久間ダム湖
住所 | 浜松市天竜区佐久間町佐久間2189-2 |
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周辺施設 | 【佐久間電力館】 営業時間/9:00~16:30 浜松市 天竜区佐久間町佐久間2552-3 |
イベント | 【佐久間ダムまつり】 10月最終日曜日 |
駐車場 | 無料駐車場あり |
アクセス | 電車・徒歩 JR飯田線「中部天竜駅」→徒歩約50分 車 ●東名「浜松IC」から約1時間半 ●新東名「浜松浜北IC」から約1時間 |
JR飯田線周辺 佐久間ダム周辺を巡って
今回は佐久間ダムを中心に紹介してきました。
佐久間ダムの建設は、路線と駅の付け替え工事をするほど、飯田線に影響を与えた大規模な工事でした。
佐久間ダム湖(佐久間湖)も静岡県境を超えて愛知県まで及び、暴れ天竜の名前を冠した天竜川も、広大でゆったりとした流れに変わりました。
佐久間ダムのほかに、秋葉ダム、船明ダムの3つの放流水量調整で、水不足や増水の被害もほとんどありません。
電力も安定供給されています。
天竜川のおかげで、自然も含めて色々な恩恵を受けていることを肌で感じられました。
飯田線沿いのシリーズはあと2回続きます!
次回は飯田線の駅を中心にお送りします。
JR飯田線沿いの記事はこちら
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