【2017年大河ドラマ「おんな城主 直虎」浜松・井伊直虎ゆかりの地③】JR浜松駅近く!浜松で一番古い寺・頭陀寺とその周辺
2017年1月8日から、いよいよNHK大河ドラ『おんな城主 直虎』が始まりました。
2016年末に「直虎は実は男だった?!」という驚きの説が飛び出すなど話題になっていましたが、地元浜松市でも徐々に盛り上がってます。
直虎の過ごした井伊谷では、年始の初詣客が県外からも多数訪れ、例年よりも賑わっていたようです。
放送が始まると引佐地域は渋滞などが心配されますが、浜松中心部から近い場所にも直虎ゆかりの地があります。
今回は、JR浜松駅から車で6,7分という立地にある『頭陀寺』とその周辺の直虎ゆかりの地をご紹介します。
この記事の見出し
頭陀寺について
703年(大宝三年)文武天皇が正夢に現れた薬師如来像のお告げから、行脚していた僧・圓空常任に命じて仏閣を建立させました。
「国家安泰、万人豊楽、万病平癒」の勅願寺として当時は『青林山 頭陀寺』と呼ばれていました。
頭陀寺には鎌倉時代頃の静岡県内最古の鰐口(わにぐち)や大変珍しい刺繍の不動明王二童子像を所蔵していました。
(現在はそれぞれ浜松市美術館・博物館が所蔵)
戦国時代には、頭陀寺門前には頭陀寺城があり、豊臣秀吉がまだ無名の頃に仕えていた松下氏の居城でした。
その後、頭陀寺城は1563年、今川方の軍に攻め落とされ炎上してしまいました。(遠州忩劇)
頭陀寺は第2次世界大戦やその後の火災などで何度か焼失しましたが、後に再興され現在に至ります。
外周をぐるりと白壁で囲まれているのが特徴です。
一部、白壁が途切れた部分がありますが、土地区画整理事業によって境内と墓地が道路で分断された部分です。
ちょっと驚きですが境内側は池もある頭陀寺ミニ庭園が、墓地側は赤錆の鉄板が配置されています。
また平成12年頃まで頭陀寺幼稚園や保育所が併設され(現在は移転)、多くの園児で賑わっていました。
お寺の幼稚園ということで、園児にも説法の時間があり、卒園児であった私の上司は「難しい説法の後に戴いたお菓子がおいしかった!」と懐かしく思い出話を語ってくれました。
井伊直虎と頭陀寺との関係
豊臣秀吉がまだ木下藤吉郎と名乗っていたころ、頭陀寺門前にあった頭陀寺城城主の松下之綱(加兵衛)に仕えていたので、頭陀寺も豊臣秀吉ゆかりの寺として地元でもよく知られています。
では、井伊直虎とはどんなつながりがあるのでしょうか。
井伊直虎が育てた虎松(直政の幼少名)の母の再婚相手が頭陀寺の松下一族
今川氏の家臣であった井伊直親の子として誕生した虎松(直政)が2歳の頃、謀反の疑いをかけられ父・直親が殺害されました。
虎松の命も狙われましたが、家臣で直虎の叔父・新野左馬助親矩が命がけで虎松を守り、その後引佐の龍潭寺に直虎と母とともに身を寄せたり、浄土寺、愛知県の鳳来寺に出家する名目で預けられました。
井伊直親の13回忌の頃、井伊直虎と南渓和尚と虎松(直政)の母が話し合って、今川氏ではなく徳川氏側について井伊家を復活させようとしました。
そのために、虎松(直政)の母は徳川家康の家臣の松下家一族の松下源太郎と再婚し、鳳来寺から戻ってきた虎松(直政)を養子に入れました。
その後、徳川家臣であった松下家の力により、虎松(直政)が徳川家康にお目見えすることができました。
それまでの間、井伊直虎・虎松(直政)・虎松(直政)の母が頭陀寺の一角にあった頭陀寺城(松下屋敷)で生活または訪問をしていたようであることから、頭陀寺が井伊直虎ゆかりの寺である所以です。
頭陀寺の歴史資料室
門をくぐって左手に受付・歴史資料室・売店があります。
履物を脱いで、玄関を上がると受付です。
拝観料を支払ってから展示物を観ることができます。
拝観料は100円です。
こちらの部屋は、井伊直虎や井伊直政、そして豊臣秀吉や徳川家康と頭陀寺とのかかわりが分かりやすくパネル展示されています。
今川時代の松下屋敷跡のジオラマがこの部屋に登場しました。
(※この資料室は撮影禁止ですが、特別に許可を頂き撮影しています)
現在の頭陀寺・松下屋敷跡周辺には住宅が立ち並んでいますが、昔は水堀があり、すぐ近くに川が流れていて渡し舟があったそうです。
ジオラマ画像の右上に小さな赤い鳥居の神社がありますがお分かりになりますか。
この稲荷神社は現在、頭陀寺境内の一角にありますが、昔は頭陀寺すぐそばのかっぱ寿司が建っている場所にあったそうです。
他にも、静岡県内最古の鰐口(わにぐち)の実物大写真や大変珍しい国重要文化財の刺繍の不動明王二童子像掛け軸の複製、寺宝が展示されています。
井伊直虎の講演で大活躍の磯田道史先生の頭陀寺と頭陀寺周辺について解説されているビデオが放映されています。
約40分くらいありましたが、時間を忘れるほど見入ってしまいました。
分かりやすい内容なので、時間があればこのビデオをご覧になってから境内などを拝観するのがおススメ。
見てからの方が頭陀寺境内や周辺の場所での直虎の当時の様子をより想いを馳せながら見ることができます。
頭陀寺境内
境内には他にもいろいろ見どころがあります。
今回は井伊家ゆかりの地として頭陀寺を紹介していますので、関連の内容のみの掲載します。
豊臣秀吉・徳川家康・井伊直政の三公銅像
本堂裏手に2017年1月22日にお披露目になったばかりの三公像があります。
豊臣秀吉・徳川家康・井伊直政が幼少10代前半の頃にこのあたり一帯を治めていた松下一族とのつながりから頭陀寺に訪れたり、過ごしたりしていました。
銅像の周りの石などは、昔はこの地域周辺まで海だったことから、波打ち際をイメージして造られたそうです。
銅像の後ろに回って一緒に写真を撮ることができます。
『きゅうり封じの穴』は現在も行われている夏越しの大祓いで使用されており、面白いご祈祷方法です。
胡瓜を身代わりに見立てて健康祈願を護符とともに胡瓜に封じ込めるそうです。
寺の入り口に案内マップがありますので、順に従ってご覧になるといいでしょう。
頭陀寺のお土産
「頭陀せうゆ」(200ml)1本800円
浜松の加藤醤油さんとのコラボ商品!
昔からの伝統製法で作られた醤油で、市販の醤油とは一味も二味も違います‼
まろやかな甘みが特徴で、護摩祈祷済みです。
頭陀寺ゆかりの井伊直政は、お醤油好きだったとか。
陣中の限られた食事の時にも醤油を欲していたほど醤油好きのエピソードがあるそうです。
お醤油なのに、なんとハート形の瓶に入ってます。
でも、普通のハートではありません!
画像ではちょっと分かりにくいですが、微妙に左右が不対称のハートの瓶なんです。
お醤油が♡の瓶だなんて、かなりオシャレ~♪
使用後も一輪挿しなどに利用できそうですよ。
私も1本、お買い上げ~。
持ち帰る時に瓶が割れないように、梱包してくれました。
「みそ ぽんせん」300円
こちらも加藤醤油さんの商品「みそ ぽんせん」です。
加藤醬油さんはお味噌も製造されていますが、これもまろやかで美味しいんです!
その味噌が入ってます。
これは、隠れた人気!すぐに売り切れになります。
「出世刃」800円
浜松は繊維の町でもあります。
その代表的企業の遠州綿紬 ぬくもり工房さんとのコラボ商品!
生地の肌触りだけでなく、その色合いも人気があります。
「頭陀寺」の金文字がポイントの出世刃!
チャンバラごっこをしても痛くありませんよ~(^^♪
お守りや絵馬
お守りも各種揃っています。
副住職さんより「今後も素敵なデザインのお守りが増える予定です!」とのことでした。
入荷したばかりの新しいデザインのお守りはこちら↓↓↓
井伊直政・豊臣秀吉・徳川家康の3名将ゆかりの寺として、3種類のお守りが登場です。
ご利益が見ての通り、それぞれ違います。
新しい絵柄の絵馬もありました。
井伊直政・豊臣秀吉・徳川家康をモチーフにした絵柄です。
左右の絵馬は同じ絵柄ですが、よく見ると「健康大願成就」「健育大願成就」と2種類あります。
「健康大願成就」…子育て祈願、子育て中のご両親の方に
「健育大願成就」…3人の名将のようにお子様が健康であるように
絵馬に関してですが最近、「お願いごとや名前・住所を見られたくない!」という要望から、最近絵馬個人情報保護シールがあるそうです。
頭陀寺でも取り入れるのか検討されたそうですが、お参りされる方からのご要望も特になく、皆さん思い思いに願い事を書かれているそうです。
「絵馬には、自由に思いを込めて書いて欲しいです。」と副住職さんはおっしゃっていました。
本堂前にかけられた絵馬を見ると、どれも絵馬裏に大きく願い事をドドーン!と書かれています。
地域に密着したお寺では、シールは必要なさそうですね。
御朱印受付
現在、頭陀寺の御朱印帳はありませんが、今後用意されるようです。
御朱印が欲しい方は、受付に御朱印帳を出します。
手書きで御朱印を書いていただけます。
もし、御朱印帳をお忘れの時は、貼付する御朱印をいただけます。
・手書きの御朱印 300円
・霊場会(四十九薬師霊場、浜名湖八十八カ所霊場、浜松手引き観音、浜名湖新西国三十三観音霊場)の指定御朱印帳をお持ちの方 200円(印のみ)。
・2巡目以降 100円。
松下屋敷跡(頭陀寺第一公園)
現在の頭陀寺門前から南に約100m真っすぐ行ったところに松下屋敷跡の頭陀寺第一公園があります。
徳川家臣であった松下家はこの周辺一帯に屋敷を構えていました。
公園から頭陀寺の方を見たところ。
奥のとんがり屋根が頭陀寺本堂です。
この道は井伊直虎が過ごしていた頃から屋敷と頭陀寺を結ぶ通路だったと言われています。
この公園の左奥の木がお生い茂っている所に石碑が立っています。
この公園の隣にはかっぱ寿司があります。
2001年と2015年の発掘調査が行われましたが、公園とかっぱ寿司一帯から庭園の池、土塁や堀や建物の礎石跡や多数の出土品が見つかりました。
池はちょうどかっぱ寿司看板そばの自動販売機あたりにあったらしく、あの場所から多数の食器類が出土したようです。
井伊直虎や井伊直政が過ごしていたであろう松下屋敷跡の研究は、まだまだ続けられています。
車や自転車:①JR浜松駅方面から150号線→「名塚」交差点右折→かっぱ寿司のところの信号を右折→公園(松下屋敷跡)前の交差点を右折→正面に頭陀寺(駐車場は右折して右側)
②JR浜松駅方面から駅南の永代通りをずっと東に行く(約1.6㎞)→「向宿」交差点を右折→はまそう会館がある押しボタン式信号の次の信号を左折→まっすぐに行くと左手に頭陀寺、さらに進んだ右手に駐車場がある。
③国道1号線(浜松バイパス)から→「福塚」交差点を150号線に向かって北に行く→かっぱ寿司を通り過ぎてすぐの幸楽苑(ラーメン店)の角を左折→頭陀寺駐車場が左側、頭陀寺は右側にある。
バス:JR浜松駅 遠鉄バス8番のりば「掛塚行き」乗車→約8分乗車「頭陀寺」下車→徒歩3分
住所 | 浜松市南区頭陀寺町214 |
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電話 | 053-463-8170 |
拝観時間 | 9:00~17:00 |
定休日 | なし |
拝観料 | お一人様100円 |
駐車場 | 無料 ※ご厚意で「松下屋敷跡」をご覧になる時も頭陀寺駐車場が利用できます |
井伊直虎ゆかりの地『頭陀寺とその周辺』まとめ
戦国時代に天下統一した徳川家康の家臣であった松下家の屋敷は、今では石碑のみで跡が残されていませんので、頭陀寺を中心に周辺一帯に屋敷があった様子は想像するしかありません。
でも、屋敷跡の規模から井伊直虎たちが井伊家を立て直すために、徳川家康の家臣・松下家の一族を直政の母の再婚相手に選んだ理由がなんとなく感じられます。
直虎ゆかりの地で注目されている頭陀寺は浜松市で一番古い寺と言われています。
直虎だけでなく、豊臣秀吉や徳川家康ともかかわりのある寺なので、浜松城と合わせて戦国の世を感じてみませんか。
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