浜松の夏、「うなぎ」のあとは?
「浜松といえば、うなぎ」
そう答える人が、たぶん10人中9人。
うなぎはもちろん、浜松の絶対王者です。
土用の丑の日が近づくと、街中のあちこちから蒲焼の匂いが流れてきますよね。
でも、ちょっとだけ立ち止まって——
うなぎの隣にも、夏の浜松にはこんなに旬がある って、ご存じでしたか?
天竜川を遡る鮎、舞阪に揚がる走りハモ、浜名湖のクルマエビ、三方原の朝採りとうもろこし、三ヶ日のぶどう……。
海・川・湖・畑。
遠州・浜名湖エリアの夏は、旬の宝箱 なんです。
この記事では、地元だからこそ知っている 「うなぎだけじゃない、夏の浜松の旬の食材」を7つ 、ご紹介します。
✅ この記事でわかること
- 浜松の夏に旬を迎える食材7つ —— 海・川・湖・畑、それぞれの恵み
- 天竜川の鮎の2026年解禁日 —— 6月27日(予定)
- 2026年の土用の丑の日 —— 7月26日、二の丑なしの珍しい年
- 遠州灘の “走りハモ” —— 全国でいちばん早く始まる夏のハモ
- 浜名湖のクルマエビと “えびすき漁” の伝統
- 三方原のとうもろこし・三ヶ日のぶどう —— 浜松の畑と果樹
浜松の夏は、なぜ”旬”が豊富なのか
旬とは、その食材が一年でいちばん美味しく、いちばん多く獲れる・収穫できる時期のことです。
浜松の夏は、ちょっと特別なんです。
全国有数の漁場 遠州灘 、温暖な気候と豊富な地下水を持つ 浜名湖 (これがうなぎ養殖発祥の地になった理由)、清流 天竜川 、そして赤土が広がる 三方原 。
海・川・湖・畑の4つの恵みが、ぜんぶ手の届く距離にそろっていて、 梅雨〜真夏にかけて、それぞれがピークを迎える ——浜松ならではの贅沢な季節なんです。
まずは7品目を、一覧で見比べてみましょう。
| 食材 | 旬の時期 | シーズン本番 | 恵み | 食べ方の定番 |
|---|---|---|---|---|
| うなぎ | 通年(夏が需要のピーク) | 7月26日の土用の丑 | 湖(養殖) | 蒲焼・白焼き |
| 天竜川の鮎 | 6月解禁〜10月 | 7〜8月 | 川 | 塩焼き・背ごし |
| 遠州灘のハモ | 4〜8月(走りハモ) | 梅雨明け〜真夏 | 海 | 湯引き・落とし |
| 浜名湖のクルマエビ | 5〜11月 | 夏〜初秋 | 湖 | 刺身・塩焼き・天ぷら |
| 遠州灘のスズキ | 初夏〜夏 | 6〜8月 | 海 | 洗い・刺身・ムニエル |
| 三方原のとうもろこし | 6〜8月 | 6月後半〜7月 | 畑 | 朝採り・生・茹で |
| 三ヶ日のぶどう | 7〜9月 | 8月下旬〜9月中旬 | 果樹 | ぶどう狩り・そのまま |
※旬の時期は年や天候によって前後します。2026年5月時点の編集部のまとめです。
🍱 1. うなぎ —— “浜松の絶対王者”、夏の主役は土用の丑

浜松はうなぎ養殖発祥の地です。1900年(明治33年)、服部倉次郎が浜名湖のほとりで養殖を始めたのが、すべての始まりでした。
服部倉次郎は東海道本線の車窓から浜名湖を見て、 「ここは絶対に養殖に適している」と直感した と伝えられています。
温暖な気候、豊富で清らかな地下水——浜名湖の自然条件が、養鰻の歴史をつくったんですね。
そして夏といえば、 土用の丑の日 。
2026年の土用の丑の日は、7月26日(日)の1回のみ 。例年は2回ある年も多いのですが、 2026年は”二の丑”がない珍しい年 なんです。
うなぎ自体は通年食べられますが、夏のうなぎはちょっと特別。
スタミナをつけるための “夏のごちそう” として、家族で囲む蒲焼の重箱——これこそ浜松の夏の風景です。
浜松のうなぎは、店ごとに「蒸し・地焼き・タレ」のスタイルが違うので、食べ比べも面白いんですよね。
🐟 2. 天竜川の鮎 —— “6月27日解禁”、清流の夏の到来

天竜川の鮎とは、清流・天竜川で育つアユのことで、毎年初夏になると解禁日を待って釣り人が川に集まります。
天竜川漁業協同組合(静岡)の 2026年の鮎釣り解禁日は、6月27日(予定) 〜12月31日。
(※確定情報は天竜川漁協の公式サイトで再確認してください)
静岡県内のほかの川より少し遅めなのが、天竜川の特徴。
そのぶん、 十分に育った “本物の夏鮎” が解禁の日から楽しめます。
7〜8月にかけて最盛期。
清流の鮎独特の “すいかのような香り” と、苔を食べて育つ上品な味わいは、川の魚ならではの世界です。
食べ方は塩焼きが王道。
天竜の鮎なら、ぜひ 背ごし (背骨ごと薄切りにする洗い)にも挑戦してみてください。骨のコリコリと身の弾力が、たまらないんです。
🦈 3. 遠州灘のハモ —— 全国でいちばん早い”走りハモ”
走りハモとは、その年の最初に獲れる早出しの鱧のことで、遠州灘のハモはなんと”全国でいちばん早く”始まります。
遠州灘では、 4月中旬にはもう走りハモの漁が始まる んです。
京都の祇園祭(7月)に出るハモが「夏の風物詩」と言われる前から、 浜松ではもう食卓に上がっている ——これは地元の小さな自慢ですよね。
舞阪漁港では、 底曳網漁業で年間約10トン のハモが揚がります。サイズは60cmが主流ですが、なかには1mを超える大物も。
旬は 5月から夏にかけて。梅雨や台風の後に脂がのる と言われています。
食べ方は、骨切りした 湯引き に梅肉ソース、 落とし (冷やし)、 天ぷら など。
やわらかな白身の上品さは、夏の食卓を一気にレベルアップしてくれますよ。
🦐 4. 浜名湖のクルマエビ —— 養殖の中心地、夏は”えびすき漁”の季節

浜名湖は、静岡県のクルマエビ生産のほぼ全量を担っている養殖の中心地です。
1972年から栽培漁業が始まり、 築地市場で最高ランクの評価 を受けるブランドエビになりました。
出荷は 5月〜11月 。
初夏に「サイマキ」(小型のクルマエビ)から始まり、真夏になると大きく育ったクルマエビ、さらにアカアシエビなど多彩なエビが並びます。
そして夏の浜名湖名物といえば—— 「えびすき漁」 。
夜の湖面をライトで照らし、流れてくるクルマエビを船上から網ですくう、伝統の漁法 です。地元では体験ツアーもあって、これがまた夏の思い出になるんですよね。
食べ方は 刺身、塩焼き、天ぷら 。
プリプリの食感と、自然な甘み——浜名湖の夏を一口で味わえます。
浜名湖の「えびすき漁」体験については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
浜名湖の伝統漁「えびすき漁」(welove浜松)
🐟 5. 遠州灘のスズキ —— 夏に汽水へ入ってくる、白身の王道
スズキは、夏になると遠州灘の沖から浜名湖の汽水域へ入ってくる、夏の白身の代表魚です。
冬は沖の深場、春に内湾、夏に汽水域——という季節回遊が特徴で、 夏は浜名湖や河口でぐっと身近になる 魚なんです。
食べ方は 「洗い」 (氷水でしめた刺身)が夏の定番。
プリッとした白身に、ポン酢や紅葉おろしを添えれば、それだけで料亭の夏の前菜ですよね。
刺身が苦手な方は、 ムニエル・蒸し物 も上品。
クセが少なく食材を選ばないので、家庭料理の幅も広がります。
🌽 6. 三方原のとうもろこし —— 朝採りの甘さは、産地ならでは

三方原のとうもろこし(スイートコーン)とは、浜松の三方原台地で栽培される、夏限定のブランド野菜のことです。
三方原台地といえば、5月下旬から出はじめる 三方原馬鈴薯 が有名ですが、 6月後半からは とうもろこしの番 。
同じ赤土の畑で、 季節をリレーするように夏野菜の主役が入れ替わる んです。
特徴は、なんといっても 朝採りの糖度 。
収穫した瞬間から糖度が落ち始めるとうもろこしは、 産地ですぐ買って、その日に食べる のが正解。これは流通に乗せても再現できない、地元の特権ですね。
直売所では、 生でも食べられる甘い品種 も出回っています。
皮ごと電子レンジで5分、塩を振るだけ——シンプルな食べ方ほど、糖度の高さを実感できますよ。
🍇 7. 三ヶ日のぶどう —— “みかんの三ヶ日”、夏は別の顔を見せる
三ヶ日(浜名区)といえばみかんの産地として有名ですが、夏は”ぶどう”の顔も持っているんです。
8月下旬〜9月中旬になると、三ヶ日のぶどう園には、たわわに実った房がぶら下がります。
シャインマスカット、巨峰、ピオーネ、デラウェア ——人気品種ぜんぶがそろう、観光ぶどう狩りスポット。
旬の時期は 7〜9月、ピークは8月下旬〜9月中旬 。
夏休みの後半から、お盆を過ぎたあたりが本番です。
「みかんしか知らなかった」という方は、ぜひ一度、夏の三ヶ日へ。
昼間は涼しいぶどう棚の下で、もぎたての一房を頬張る ——これ、浜松の夏の楽しみとして、もっと知られていいシーンですよね。
よくある質問(FAQ)
Q1. 2026年の天竜川の鮎、解禁日はいつですか?
A. 天竜川漁業協同組合(静岡)の 2026年解禁日は、6月27日(予定) 〜12月31日です。静岡県内のほかの河川より少し遅めなのが特徴。正式な解禁日は、漁協の公式サイトで再確認してください。
Q2. 2026年の土用の丑の日はいつですか?
A. 2026年の夏の土用の丑の日は、7月26日(日)の1回のみ です。例年は2回ある年も多いのですが、 2026年は”二の丑”がない珍しい年 にあたります。土用の入りは7月20日、土用明けは8月6日です。
Q3. 浜名湖は、なぜうなぎの養殖に適していたんですか?
A. 温暖な気候、豊富で清らかな地下水、餌になる魚介が豊富な汽水環境 ——この3つがそろっていたからです。1900年(明治33年)に 服部倉次郎が浜名湖で養殖を始めて以来 、 “うなぎ養殖発祥の地” として知られるようになりました。
Q4. “走りハモ”って何ですか?
A. その年の最初に獲れる早出しの鱧のことです。 遠州灘のハモは、全国でいちばん早く(例年4月中旬)漁が始まる ことで知られていて、京都が祇園祭でハモを楽しむ前から、浜松では夏の味として食卓に上がっています。
Q5. 浜名湖のクルマエビは、夏のいつごろがピーク?
A. 出荷は 5月〜11月 ですが、初夏に「サイマキ」と呼ばれる小型から始まり、 大きく育つのは7〜8月の真夏 。夏休みのタイミングで、いちばん楽しめます。
Q6. 三ヶ日のぶどう狩り、いつから?
A. 例年 8月下旬〜9月中旬 がシーズンです。「つづさき観光ぶどう園」などの観光農園では、時間無制限の食べ放題が楽しめます。完熟ぶどうの最盛期は、お盆を過ぎたあたりです。
まとめ・キーポイント
- 浜松の夏は、うなぎだけじゃない —— 海・川・湖・畑の旬が、ぜんぶ近くにそろう
- 6月のスタート —— 天竜川の鮎が解禁(2026年は6/27予定)、三方原のとうもろこしが出はじめ
- 7月のピーク —— 土用の丑(2026年は7/26)のうなぎ、走りハモ、クルマエビ
- 8月後半は果実の番 —— 三ヶ日のぶどうが本番に
- 養殖発祥の地・浜名湖 —— うなぎとクルマエビ、両方が浜名湖を象徴する夏の味
浜松を訪れるなら
夏の浜松、 観光だけじゃもったいないんです 。
「うなぎを食べに来た」だけで帰っちゃうのは、本当にもったいない。
“旬を食べる旅” として、 6月の鮎の塩焼き、7月の土用の蒲焼、8月のぶどう狩り ——3つの夏をはしごしてみてください。
きっと、 浜松の夏の解像度がぐっと上がる はずです。
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