春野町の「日本一の大天狗面」— 山岳信仰が息づく、迫力のパワースポット

春野町の「日本一の大天狗面」— 山岳信仰が息づく、迫力のパワースポット
浜松市天竜区春野町。国道362号線を走っていると、突如として目の前に現れる巨大な赤い顔。高さ8メートル、鼻の長さだけで4メートルもある「日本一の大天狗面」です。
その圧倒的なスケールに、思わず車を停めてしまう人が後を絶ちません。
この記事の見出し
本当に「日本一」なのか?

「日本一」を名乗る天狗面は、実は他にもあります。
群馬県沼田市の迦葉山龍華院弥勒寺にある天狗面は、高さ6.5メートル、鼻の長さ2.8メートル。対して春野町の大天狗面は、高さ8メートル、鼻の長さ4メートル。
数字が証明しています。
春野町の大天狗面こそが、名実ともに「日本一」なのです。

博覧会から春野町へ — 巨大天狗の意外な生い立ち
この大天狗面、実は春野町で作られたものではありません。
1985年に開催された「コウベグリーンエキスポ’85」に出展された作品を、博覧会終了後に旧春野町が譲り受けたものです。
なぜ春野町が選ばれたのか?
それは、この地に古くから伝わる「天狗伝説」があったから。春野町を含む北遠地方は、秋葉修験道の拠点として栄え、数々の天狗伝説が残る地域でした。
山中で修行する山伏たちが、松明を手に夜の山道を駆ける姿。
その超人的な動きが、いつしか天狗の伝説として語り継がれるようになったのです。
縁結びのパワースポットとして
設置から約40年。
当初は地域振興のシンボルとして建てられた大天狗面ですが、今では「縁結びのパワースポット」として若者たちにも人気です。
厳格な修験道の象徴だった天狗が、今では恋愛成就を願う人々を見守る存在に。
この変化こそ、時代とともに生きる春野町の柔軟さを物語っています。
春野町には、大天狗面以外にも見どころがあります。
一草川の赤い吊橋では、橋の中央で気田川に向かって愛を叫ぶと願いが叶うという言い伝えが。
大天狗面で祈願した後、この吊橋で想いを叫ぶ — そんな縁結びルートが、訪れる人たちの間で定着しています。
毎年4月下旬には「はるの大天狗まつり」
昭和61年から続く「はるの大天狗まつり」。
大天狗面の設置と同時に始まったこの祭りは、春野町の一大イベントとして定着しています。
春から初夏へと移り変わる季節、山々の新緑を背景に立つ大天狗面は、一年で最も美しい姿を見せてくれます。
インスタ映えする日本一の迫力

その巨大さゆえに、どう撮っても絵になる大天狗面。
SNSで「#大天狗面」と検索すれば、訪れた人たちの個性的な写真がずらりと並びます。
青空をバックにした天狗の赤い顔、紅葉に囲まれた秋の姿、時には雪化粧をした冬の表情。四季折々、表情を変える大天狗面は、何度訪れても飽きることがありません。
アクセスと周辺情報
浜松市中心部から車で約1時間。
国道362号線沿いに位置し、春野文化センターのすぐそばです。
駐車場は普通車80台、大型バス10台分完備。
家族でのドライブにも、団体旅行にも対応できる設備が整っています。
天狗のデザインは、春野町のマンホールにも採用されています。
足元にも注目しながら歩いてみてください。
歴史と現代が交差する場所
秋葉修験の行者たちが守り続けた山々。
明治時代の神仏分離令で一度は廃寺となった秋葉寺も、地域の人々の熱意で再建されました。
その信仰の深さが、今も春野町に息づいています。
大天狗面は、その歴史を現代に伝える橋渡し役なのです。
春野町大天狗面:施設情報
- 名称 : 日本一の大天狗面
- 所在地 : 静岡県浜松市天竜区春野町宮川(春野文化センター近く)
- アクセス : 浜松市中心部から車で約1時間、国道362号線沿い
- 駐車場 : 普通車80台、大型バス10台
- 入場 : 無料
- 見学 : 年中無休
山の奥深くに残る修験道の記憶。
それを巨大なモニュメントとして蘇らせた春野町の発想力。
あなたも春野町で、日本一の天狗様に会いに行きませんか?
きっと、その迫力とパワーに圧倒されるはずです。
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