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堀江藩を巡る情景 第3弾「夢の痕」


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堀江藩を巡る情景 第3弾「夢の痕」

鎌倉時代から江戸時代にかけて、舘山寺一帯を統治し、江戸時代には高家としてその領地と地位を維持してきました。
しかし、明治に入り廃藩置県で大名から県知事になりたい大澤基寿が起こした万石事件。
その事件で一瞬にして消え去った大澤家でした。

舘山寺温泉として観光地として栄えているなか、大澤家・堀江陣屋・堀江藩の遺構はほとんど残っていません。
舘山寺温泉の観光施設から想像力で、その痕を辿るのはいかがでしょう。

 

「舘山寺」

堀江藩を巡る情景 第3弾「夢の痕」

正式名称は、曹洞宗 秋葉山 舘山寺 (そうとうしゅう あきはさん かんざんじ)といいます。

舘山寺という寺号は、舘山(たてやま)に開かれた寺であることから、舘山の寺という意で名付けられたものです。
舘山は浜名湖の東北に位置する内浦湾に面した標高約50m周囲1400mの山です。
堀江城(現在の遊園地パルパルや周辺)の城主として、当地に赴任した大沢氏の要請により城主の祈願寺として、以後五百年守られています。

 

明治時代の舘山寺

明治3年(1870)、新政府の神仏分離令(廃仏棄釈)により廃寺となりました。

しかし明治23年(1890)、再興が認められ秋葉の火祭りで有名な秋葉山・秋葉寺(しゅうようじ)住職・牧泰禅(まきたいぜん)和尚を招請。
秋葉寺の出張所を持ってくる名目で再興しました。
その際に秋葉三尺坊を舘山寺でも祀ることになり、山号も「中嶺山」(ちゅうれいざん)から「秋葉山」に改め真言宗の伝統を引き継ぎながら曹洞宗の祈願寺として今日に至っています。

参考資料:曹洞宗 秋葉山 舘山寺:秋葉山信仰 (kanzanji.net)

「浮見堂」

堀江藩を巡る情景 第3弾「夢の痕」

舘山寺の温泉街、門前通りから内浦湾に沿って伸びる遊歩道を歩いて行った先にあるのが浮見堂です。

御殿山に、堀江城のちの堀江陣屋がありました。
そこから浜名湖畔が一望できたはずです。

昼は浜名湖上を行きかう漁船や運航船、夜は漁火などが見えたのかもしれません。
季節によって変化する山の樹々や雲の流れ。
長さ45mの桟橋の先端からは、浜名湖の絶景を楽しめます。

今も昔も風光明媚な場所に違いありません。
観光のために造られた建築物ですが、昔の雰囲気を体感できる場所です。

浮見堂案内看板より
この桟橋と浮見堂は平成18年11月1日にオープンいたしました。
全長45mの先端には中国蘇州から贈られた「寒山寺の鐘のレプリカ」がございます。
どなた様もご自由にご見学いただき湖上から見る内浦湾の風景をお楽しみください。

 

「堀江の庄」

堀江藩を巡る情景 第3弾「夢の痕」

浜名湖の畔、舘山寺温泉の入口に位置する「かんざんじ温泉 堀江の庄」。
かつて五百余年に渡り栄えた堀江城陣屋跡に建つ白壁をめぐらせた、武将の趣漂う和風温泉旅館。

堀江の庄は、庄内と呼ばれる浜名湖の穀倉地帯を背景に栄えた堀江の城址に立地していることから、その治世の栄えにあやかって『堀江の庄』と名付けられました。
もともと、堀江藩のことを知ったのは、この旅館からでした。

昔、ここに宿泊した時に、ロビーで御殿山に建つ天守閣の絵が飾られていました。
従業員の方にお聞きすると、この地に堀江藩があって、堀江の庄の裏にそのお城があったとのことでした。

堀江城は実際に戦国時代にありました。
しかし天守閣のようなお城ではなく、戦闘用の山城でした。
そのあと、江戸時代に江戸城でのお勤めなどで、高家大沢氏の陣屋(大きな屋敷群)となりました。

 

源泉「足湯 水神の松」

堀江藩を巡る情景 第3弾「夢の痕」

舘山寺温泉は、開湯60周年(1958年開湯)を迎える歴史ある温泉地です。
堀江の陣屋があったころには、まだ温泉は見つかっていませんでした。

開湯は1958年(昭和33年)。
この時の源泉は舘山寺第1温泉源と呼ばれ、現在は使用されていません。

その後、舘山寺第4温泉源まで湧出されていますが、現在は舘山寺第3温泉源と舘山寺第4温泉源が利用されています
舘山寺温泉の観光地のひとつです。

この「足湯 水神の松」も舘山寺八景の一つにも選ばれています。

絶景をみながら足湯が利用できる、水神の松公園
読み方は、水神松と書いて「すいじんのもり」と呼びます。
大沢基久が鎌倉時代に築城したと伝えられている堀江城の跡地にあることから、源泉にも堀江城趾の名前が付いています。

浮見堂案内看板より
この温泉は地下1850mから湧き出るナトリウム・カルシウムー塩化物温泉で、神経痛、筋肉痛た関節のこわばり、などに効能があり「環境省鉱泉分析法指針」により厳しい基準の適応しており、特に治療の目的を共しうるものとして認定された「治療泉」です。
この足場では、清潔さを保った100%天然温泉を使用しています。

 

「堀江城奥御殿の鬼瓦」

堀江藩を巡る情景 第3弾「夢の痕」

この鬼瓦は、堀江城に隣接するホテル九重(2021年10月末閉館)の玄関の飾られ「奥御殿の鬼瓦」と看板が出ています。

堀江城は、大沢基久が鎌倉時代に築城したと伝えられている山城です。
今川氏の勢力下に入り、宇津山城、浜名城などとともに、三河に対する抑えとして機能していました。

永禄12年(1569年)大沢基胤は、徳川家康に攻められ、遠江における今川方最後の拠点として激しく防戦しましたが、結局は和睦する形で降伏しました。
その後、家康の家臣となった基胤は、堀江城の大規模な改築を行い、ここ「御殿山」にその中心に据えました。

基胤の子、大沢基宿は、1,550石を与えられ旗本になり、慶長8年(1603年)に高家となり幕末まで続きます。
城ではなく、堀江の陣屋として御殿が建設されています。

現在は舘山寺温泉となり遠鉄観光開発が経営する遊園地浜名湖パルパル等の敷地になっていて、遺構は残っていないのは残念です。

この鬼瓦は「奥御殿の鬼瓦」は、奥御殿の上から江戸時代の大澤家の歴史を見ていたのでしょう。
この鬼瓦で、当時の建築を想像するのも楽しいですね。

 

ご紹介の施設の詳細情報

曹洞宗 秋葉山 舘山寺

曹洞宗 秋葉山 舘山寺

曹洞宗 秋葉山 舘山寺

住所 浜松市西区舘山寺町2231
電話 053-487-0107
御守授与所 8:00~17:00
※年末年始は変更あり
拝観料
駐車場 普通車1時間まで300円、以降30分毎100円
アクセス バス JR浜松駅北口バスターミナルより遠州鉄道バス乗車 約45分→「舘山寺温泉」下車→徒歩約5分
東名「浜松西I.C.」より約15分
HP http://kanzanji.net/

 

浮見堂

浮見堂

住所 静岡県浜松市西区舘山寺町1891 浜名湖
入場料 無料
自由に出入り可
駐車場 なし
アクセス バス JR浜松駅北口バスターミナルより遠州鉄道バス乗車 約45分→「舘山寺温泉」下車→徒歩約5分
東名「浜松西I.C.」より約15分
HP https://www.kanzanji.gr.jp/

 

堀江の庄

堀江の庄

住所 浜松市西区舘山寺町2061
アクセス バス JR浜松駅北口バスターミナルより遠州鉄道バス乗車 約45分→「舘山寺温泉」下車→徒歩約2分
東名「浜松西I.C.」より約15分
HP http://kanzanji.net/

 

源泉 堀江城址「足湯 水神の松」

水神の松(すいじんのもり)公園にある公共足湯「水神の松」

※コロナウイルス感染症拡大予防のため、使用中止の場合があります。

住所 静岡県浜松市西区舘山寺町3305
営業時間 6:30〜19:00
利用料 無料
自由に出入り可
駐車場 門前通り公共駐車場の利用可
※1時間以内
アクセス バス JR浜松駅北口バスターミナルより遠州鉄道バス乗車 約45分→「舘山寺温泉」下車→徒歩約5分
東名「浜松西I.C.」より約15分
HP https://www.kanzanji.gr.jp/

 

堀江城奥御殿の鬼瓦

「堀江城奥御殿の鬼瓦」

※2021年10月末で閉館のホテル正面玄関に設置されていました。

住所 静岡県浜松市西区舘山寺町
アクセス バス JR浜松駅北口バスターミナルより遠州鉄道バス乗車 約45分→「舘山寺温泉」下車→徒歩約5分
東名「浜松西I.C.」より約15分

 

次回作の案内

舘山寺温泉で温泉を楽しみつつ、明治時代初期で消えた堀江藩の痕を辿ってみてください。

次回は「秋葉寺を巡る情景」をお送りします。
「秋葉寺」と書いて、「しゅうようじ」と読みます。
秋葉神社の上社・下社は秋葉信仰や火まつりで有名です。
秋葉山の中腹に秋葉寺があります。

この秋葉寺も明治時代新政府の神仏分離令(廃仏棄釈)により廃寺となりました。
それを期に秋葉神社が台頭していきます。
火まつりも秋葉信仰も秋葉寺がメインでした。
次回からその秋葉寺の情景をお送りします。

 

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この記事を書いたひと

山下清生

山下清生

浜松工業高校デザイン科卒。
3年間印刷会社でデザイナーを経験したあと、ヤマハ発動機(株)勤務。
定年を迎えましたが、引き続き勤務中。

だから、昔から好きだった絵を描くことを再開しました。
(まだ5年くらいは働きますが・・・)
今、描きたいものが、たくさん目の前に現れています。
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<受賞歴>
2020年 2月 「浜松市芸術祭第67回市展」入選
2020年11月 「日本国際水彩画会秋季秀作ネット展2020」入選
2021年 4月 「第21回日本国際水彩画交流展」入選
2021年 6月 「第4回日美展・絵画部門」入選
2021年 9月 「第45回記念新日美展」佳作入賞
2021年11月 「JIWI秋季国際水彩画展2021」入選
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◆絵だけでなく小説の執筆活動にも挑戦していました。

1996年(平成8年) 作品「こちら何でも相談室」創元推理短編賞 
2001年〜2005年頃 掛川市大須賀に在住のミステリー作家の「木谷恭介」に弟子入りして、木谷工房に参加
         「玉沖好也(たまおきよしや)」というペンネームで一部下書きとアイデア出し、表紙を担当させていただきました。
2012年(平成24年) 作品「二俣城備忘録」伊豆文学賞 
2020年(令和 2年) 作品「二俣城攻防録」ふじのくに芸術祭2020文学部門小説の部 奨励賞
2021年(令和 3年) 作品「潮流(万石事件)」ふじのくに芸術祭2021文学部門小説の部 入選