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【浜松観光/奥浜名湖エリア】風情を味わう湖北五山参詣のススメ 『禅』編

名刹三昧の『湖北五山』

湖北の眺め

浜松駅や市内の観光名所に置かれているパンフレットの中でも、いぶし銀の魅力を放つ『浜名湖湖北五山』。

五山といえば、古くは室町時代に臨済宗寺院で構成されていた『鎌倉五山』や『京都五山』が有名ですね。
鎌倉と京都の5つの有力寺院を五山と制定することによって、政府直轄寺院とする狙いもあったとか。

一方の『浜名湖湖北五山』は、これらとはちょっとテイストが違いますよ。
浜名湖の湖北にある5つの名刹を五山とひとまとめにして、個性を際立たせて、参詣するみなさんに楽しんで頂けるよう作られたのかもしれません。

浜名湖の北・西側周辺は、県境、かつては遠江国と三河国の国境、としても重要な場所でした。
古墳も多く残っていて、廃寺の遺構もあることから、浜名湖の湖北はそもそも特別な場所だったことが分かります。

 

伝統的な臨済宗寺院 龍潭寺

龍潭寺

小堀遠州庭園としても、大河ドラマの舞台としても有名な、龍潭寺。
禅の教えを伝える臨済宗のお寺です。

お庭と同じく江戸時代の始め頃に建てられた龍潭寺本堂は、国の指定文化財です。

歩くたびにキュキュっと鳴る床も見どころですが、美しい襖絵で仕切られた本堂内部の清々しい雰囲気も注目ポイント。
江戸時代、この本堂で、井伊のお殿様とご住職様と、どんなお話をされていたのでしょうか。

本堂は、伝統的な臨済宗の寺院建築としても有名で、寺院建築がお好きな方にはおススメ。
鴨居の彫刻一つ、襖絵一枚からも、お寺の格式の高さが伺えるので、ゆっくりと楽しめますよ。

 

最先端の教え黄檗宗の寺院 宝林寺

宝林寺

龍潭寺から車で10分ほどのところにあるのは、同じく禅宗の宝林寺。

仏殿(本堂)は、龍潭寺と同じく国指定重要文化財で、江戸時代初期に建てられました。

なのに、龍潭寺と宝林寺では、雰囲気が全然違いますね。
というのも、龍潭寺は臨済宗、宝林寺は江戸時代に開かれた黄檗宗、という差があるのです。

黄檗宗は、江戸時代の始め頃に、京都に万福寺を開いた中国明時代の僧隠元禅師によってもたらされました。
その隠元禅師と一緒に来日した明の僧独湛(どくたん)禅師が宝林寺を開き、当時最先端だった黄檗の教えを、建造物などからも伝えてくれています。

宝林寺内部

参拝者の多くが、仏殿の雰囲気に驚きの声を上げることでしょう。
仏殿の門の飾り彫りから、仏殿内のお像や装飾品まで、全てがエキゾチックで魅力的なのです。
装飾品の色遣いも、本尊のお顔も、日本のお寺さんではあまり見られないものばかりです。

宝林寺内部

龍潭寺へ参拝したら、ぜひ、宝林寺へもどうぞ。
建造物は同じ時代に建てられたものですが雰囲気が全く違うので、2ケ寺を巡るだけで浜松の歴史が体感できますよ。

 

大本山のオーラ 方広寺

方広寺

方広寺は、奥山氏が治めていた奥山という土地にあります。
大河ドラマでは、直政公を産んだ“しの”が奥山氏の出身ですね。

方広寺は、井伊直政とご縁があり、今、直政の鎧兜を展示中です。(2019年春頃まで公開予定)
龍潭寺・宝林寺と同じく禅宗寺院で、山の中に大きな山門や長く美しい参道、東海一の大きさを誇る大寺院などが点在しています。

駐車場から徒歩5分くらいで大きな山門に着き、そこから本堂まで約15分の参道が続きます。
参道は細く清らかな流れに沿っている木陰の小道で、ゆるやかな坂道を登り、本堂を目指します。

マイナスイオンだっぷりの参道を進むごとに、少しずつ心がほぐれていくことでしょう。
夏には、小川の石からサワガニが顔を出し、挨拶をしてくれることも。

素晴らしいのは大自然や大建築だけではありません。
実は、臨済宗方広寺派の大本山で、京都建仁寺などと並ぶ寺格なのです。
これにふさわしい美しさと文化財的価値を持つ御本尊は、時代を代表する美仏。
ご本尊の風格や威厳、全体の色彩、細かな細工の素晴らを、ぜひご堪能下さい。

素晴らしい寺院建築と美しい大自然に囲まれていると、心が洗われ癒されます。
これは、禅の教えに繋がるのかもしれません。

 

体で味わう湖北の歴史

湖北五山の中の、禅宗寺院三山をご紹介いたしました。
龍潭寺と宝林寺では江戸時代の祈りの形を、方広寺では大自然の癒しを感じることで、それぞれの魅力が伝わると思います。

「心が疲れちゃったな・・・」
そんな時には身近なお寺に参詣してリフレッシュするのも、よさそうです。

 

今回ご紹介の寺院の詳細

井伊家菩提寺 龍潭寺

龍潭寺庭園

龍潭寺の詳細

住所 浜松市北区引佐町井伊谷1989
電話 053-542-0480
拝観料 高校生以上/500円、小中学生/200円
拝観時間 9:00~16:30(17:00 閉門)
※拝観所要時間 40分~50分
休館日 8月15日、
12月22・23・24・25・26・27日
※毎年同じです。
※臨時休館の場合もあり。
駐車場 あり
URL http://www.ryotanji.com/index.html 

初山 宝林寺

宝林寺

宝林寺の詳細

住所 浜松市北区細江町中川65-2
電話 053-542-1473
拝観料 大人/400円、中高生/200円、小学生以下/無料
拝観時間 10:00~16:00
休観日 年末年始
駐車場 あり
URL http://www.oubaku.org/shosan/

臨済宗方広寺派大本山 方広寺

方広寺

方広寺の詳細

住所 浜松市北区引佐町奥山1577-1
電話 053-543-0003
拝観料 大人/400円、中学生以下/200円、未就学児/無料
拝観時間 9:00~16:00
休観日 年中無休
※2017年10月23日(月)は臨時休観日
駐車場 公共駐車場あり
URL http://www.houkouji.or.jp/

 

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龍潭寺

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この記事を書いたひと

蓮仏ゆき

蓮仏ゆき

「知っているようで意外と知らない地元の仏像の素晴らしさをお伝えするために活動しています。」
浜松史跡調査顕彰会会員、仏像愛好研究家。

仏像好きが高じてカルチャーセンター他で仏像講座の講師をする。
静岡県と愛知県を中心に、「仏像鑑賞講座」「陶器の仏像作成講座」「寺社巡り講座」「御朱印講座」「浜名湖湖北五山講座」など、多数の講座を開催中。

女子美術大学短期大学部卒(彫塑)。
佛教大学文学部中退(仏教美術)。

父も祖父も華道家元。
自身もかつては華道・フラワーアレンジメント、他に、万葉集鑑賞入門を教える。

仏像愛好家blog
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