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【秋葉街道沿い編】地元に残したい風景・第3弾

 2019/11/08
学ぶ この記事は約 7 分で読めます。
【秋葉街道沿い編】地元に残したい風景・第3弾

信仰の道だった秋葉街道の「秋葉神社常夜灯」からはじまって、「秋葉信仰二の鳥居」や「秋葉神社龍灯」など秋葉神社にまつわる風景や、「旧浜名用水取入れ口」や「二俣城」「船明ダム」など周辺の風景を巡りました。

いよいよ秋葉神社周辺の風景をご紹介します。

今回で「秋葉街道(国道125号線)沿い編 地元の残したい風景」は最終回となります。

 

秋葉山本宮 秋葉神社 下社

【秋葉街道沿い編】地元に残したい風景・第3弾

国道152号線の「二俣山東交差点」に案内看板がでています。
秋葉神社の文字の下に、『上社19km、下社14km』の表示。

下社へ行くために、ハンドルを右に切ります。

国道362号線をしばらく走ると、案内標識で「秋葉神社下社」が案内されています。
県道286号線へ入って500mで下社に到着します。

駐車場で降り、参道階段を登ります。

境内は濃い緑に覆われ、荘厳な雰囲気を醸し出しています。
下社の正式名称を遥斎殿(ようさいでん)と呼ぶそうで、上社の御本殿を遥拝する場所です。
(※遥拝とは、遠くから拝むことの意味)

火の神様の信仰ということで、鉄鋼業に就いている方々が、社殿横には巨大な鉄製の「十能」と「火箸」を奉納しています。

下社から参拝していって、上社へお参りするのが正式な参拝方法という情報もあります。

下社から上社まで、表参道があり、「徒歩90分」の案内看板があるそうです。
上社まで、ずっと登りになります。

下社から上社への行き方は、県道286号線を通る方法もありますが、車に乗っても30分以上かかる距離になります。

 

秋葉ダム

【秋葉街道沿い編】地元に残したい風景・第3弾

国道362号線の秋葉神社の入り口から北へしばらく進むと、秋葉ダムが見えます

高さ89メートルの重力式コンクリートダムで、船明ダムの上流にあるダムです。

1954年(昭和30年)より建設開始。
四年の歳月を掛けて1958年(昭和33年)に完成しました。

上流にある佐久間ダムの放流水を調整し、船明ダムの貯水量も含めて、下流の水量を平均化する逆調整池の役割も果たしています。

水量の調整のための放流は、予定が変更される場合があり、いつ行われるのかわかりません。
今回見ることができてよかったです。

水力発電の他に、浜松市をはじめとする遠州地域への上水道・工業用水道や、三方原台地への灌漑用水を供給する役割も果たす遠州の水がめでもあります。
ダムによって形成された人造湖は秋葉湖(あきばこ)と命名され、天竜奥三河国定公園に指定されています。

湖畔には、10kmにわたり約1000本のソメイヨシノが植えられています。
3月下旬ごろからの開花時期には「秋葉ダム千本桜」としてお祭りも開かれています。

また4月には「秋葉ダムさくらマラソン」が行われ、毎年500人もの健脚が、10㎞・20㎞を走り抜けています。

 

秋葉神社入り口の秋葉灯籠

【秋葉街道沿い編】地元に残したい風景・第3弾

国道152号線から秋葉神社へ続く天竜スーパー林道(県道285号線)への入り口に、高さ9mの秋葉灯篭が建っています。

天竜川にかかる赤い橋(西雲名橋)を渡り、残り約9kmで上社に到着します。
ここまでくれば、上社に着いたも同然・・・と思うところですが、スーパー林道の九十九折りと細い幅員。
車のすれ違いが難しい箇所が多く、なかなか到着しません。

取材に行ったとき、途中で故障車が停まっていました。
「JAFを呼んだから大丈夫」と言っていましたが、来るまでだいぶ時間がかかりそうです。

とにかく、この秋葉灯篭をみて、秋葉神社までは、もうひと踏ん張りということです。

 

秋葉神社上社へ向かう階段からの雲海

【秋葉街道沿い編】地元に残したい風景・第3弾

秋葉神社上社の駐車場から、大鳥居をくぐり、階段を上っていきます。

青龍・朱雀・玄武・白虎の四神が神門四隅に施されている西ノ閽の神門(にしのかどもりのしんもん)を潜り抜け、さらに階段を登っていきます。

秋葉神社上社の建物群を回り込む形で、歩いていくと、最後の階段があります。
ここまで10~15分ほど。

しかし、この階段の途中で振り向くと、山々の向こうに遠州灘までに望める風景が広がっていました。
秋葉山の標高は866m
その山頂から見る風景は絶景でした。

雲海がかかっていて、神秘的な感傷が体を包むようでした。
階段の終点付近には、『幸福の鳥居』と命名された黄金色の鳥居が建っています。

 

秋葉山本宮秋葉神社 上社

【秋葉街道沿い編】地元に残したい風景・第3弾

秋葉山山頂の神域を背中に、本殿が建っています。

創建は709年(和銅2年)と伝えられています。
火之迦具土大神(ヒノカグツチノオオミカミ)が祭神として祀られ、『火防開運の神』として信仰されています。

中世には、「秋葉大権現」として朝廷からは正一位の神階を賜りました。
伊豫守源頼義・為朝・足利尊氏・今川仲秋・武田信玄・長曽我部元親・豊臣秀吉・加藤清正・福島正則など当時の武将達が刀剣などを寄進しています。

明治元年には政府のお達しで、権現号を改め『秋葉神社』となりました。
明治維新後、「県社」の社格をもって遇されていたそうです。

更に昭和27年には全国の秋葉神社(約400社)の総本宮であることから『秋葉山本宮秋葉神社』と改称しました

江戸時代以降、「火事と喧嘩は江戸の華」といわれるほど火事の多い江戸を中心に、全国に秋葉講が結成され秋葉参詣が盛んに行われています。

今の本殿は、1986年(昭和61年)に再建されました。
流れ造りの本殿と入母屋造りの拝殿を幣殿で繋ぐ権現造りで、総檜造りの拝殿正面には唐破風の向拝が続きます。

荘厳な造りと、山頂からの雄大な景色。ここに神様が鎮座しているのが肌を伝わってきます。
パワースポットであることには間違いないですね。

 

秋葉神社の詳細情報・アクセス

秋葉神社

秋葉山本宮 秋葉神社上社・下社

秋葉山本宮 秋葉神社上社・下社

住所 浜松市天竜区春野町領家841‬
電話 上社:053-985-0111
下社:053-985-0005
拝観時間 日が暮れるまでに参拝を済ませるのが望ましいです
定休日 なし
拝観料 無料
駐車場 無料駐車場あり
※200台分
アクセス 電車 JR浜松駅北口バスターミナル西側徒歩5分→遠鉄電車「新浜松駅」→「西鹿島駅」下車→遠鉄バス秋葉線乗車→「秋葉神社」下車

新東名「浜松浜北I.C」→国道152号線経由約30分
HP http://www.akihasanhongu.jp/

 

秋葉神社入り口の秋葉灯籠

秋葉神社入り口の秋葉灯籠

住所 ‪浜松市天竜区西雲名‬
見学時間 自由
定休日 なし
見学料 無料
駐車場 なし

秋葉ダム

秋葉ダム

住所 浜松市天竜区龍山町戸倉字時並445-3
電話 053-925-1001
見学時間 自由
定休日 なし
見学料 無料
駐車場 無料駐車場あり
※30台分
アクセス 電車 JR浜松駅北口バスターミナル西側徒歩5分→遠鉄電車「新浜松駅」→「西鹿島駅」下車→遠鉄バス乗車→「西川」バス停下車→徒歩約10分

東名「袋井IC」または「浜松IC」から車で約60分

 

秋葉神社中心に周辺の風景を巡って

今回は秋葉神社本宮下社・上社を中心とした周辺の風景を紹介してきました。

これから参詣に行かれる方、時間があれば下社・上社と巡ってみてください。
そのとき、表参道を歩いて登ることができれば、昔の秋葉講の秋葉参詣の体験ができでるはずです。
徒歩で約90分ぐらいの道のりです。

 

次回からは、【飯田線とその周辺編/地元に残したい風景】となります。

飯田線は、愛知県・静岡県・長野県をまたがり、94駅もの駅に停車する鉄道路線です。
静岡県では、すべて浜松市天竜区を走り、13駅を通過します。
それら駅と周辺の風景をお届けします。

お楽しみに!

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この記事を書いたひと

山下清生

山下清生

浜松工業高校デザイン科卒。
3年間印刷会社でデザイナーを経験したあと、ヤマハ発動機(株)勤務。
定年を迎えましたが、引き続き勤務中。

だから、昔から好きだった絵を描くことを再開しました。
(まだ5年くらいは働きますが・・・)
今、描きたいものが、たくさん目の前に現れています。
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<受賞歴>
2020年 2月 「浜松市芸術祭第67回市展」入選
2020年11月 「日本国際水彩画会秋季秀作ネット展2020」入選
2021年 4月 「第21回日本国際水彩画交流展」入選
2021年 6月 「第4回日美展・絵画部門」入選
2021年 9月 「第45回記念新日美展」佳作入賞
2021年11月 「JIWI秋季国際水彩画展2021」入選
2022年 1月 「浜松市芸術祭第69回市展」入選
2022年 6月 「第5回日美展 絵画部門」優秀賞
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◆絵だけでなく小説の執筆活動にも挑戦していました。

1996年(平成8年) 作品「こちら何でも相談室」創元推理短編賞 
2001年〜2005年頃 掛川市大須賀に在住のミステリー作家の「木谷恭介」に弟子入りして、木谷工房に参加
         「玉沖好也(たまおきよしや)」というペンネームで一部下書きとアイデア出し、表紙を担当させていただきました。
2012年(平成24年) 作品「二俣城備忘録」伊豆文学賞 
2020年(令和 2年) 作品「二俣城攻防録」ふじのくに芸術祭2020文学部門小説の部 奨励賞
2021年(令和 3年) 作品「潮流(万石事件)」ふじのくに芸術祭2021文学部門小説の部 入選