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【東海道湖道編】地元の残したい風景5選(1)

 2019/04/10
学ぶ この記事は約 7 分で読めます。
【東海道湖道編】地元の残したい風景5選

浜松市には、昔から変わらない情緒豊かな自然や建物などが現存しています。

約40年ぶりに絵筆を取った私。
浜松のさまざまな所へ旅に出かけ、心に残った数々の風景を作品にしました。

今回は旧東海道「舞坂宿」にスポットを当てて2回シリーズをwe love 浜松の読者の皆さまにお届けします。

 

東海道湖道

ご紹介するのは、東海道五十三次で描かれている峠越えや川越、海越えのルート沿いの風景です。
浜名湖では、湖上が東海道五十三次のルートになってます。

メインは「舞坂宿」。
舞坂から今切の渡し関連、今切関所(新居関所)、その周辺地域の風景を描きました。

当時は「舞阪」ではなく、「舞坂」と表記されていたようなので記事内では舞坂で統一しています。
また、浜名湖の今切を渡る道は、私が勝手に命名した「湖道」と表記しています。

 

旧東海道松並木

【東海道湖道編】地元の残したい風景5選

舞坂宿の入り口、旧東海道の道沿いに松並木があります。

江戸幕府が1604年(慶長9)に街道の両側に松や杉を植えさせたことが始まりです。

1712年(正徳2)には、道の両側の堤に1,420本の松が植えられていたそうです。
現在は約700mにわたって大小370本の松並木が続き、当時の東海道を偲ばせています。

 

波小僧像

【東海道湖道編】地元の残したい風景5選

松並木の舞坂宿側の交差点の隣に、「波小僧」の像があります。
「波小僧」は遠州七不思議のひとつにあげられています。

むかし、遠州灘の地引網漁で、魚が取れない日が続いたある日、真っ黒な小僧が網にかかった。
小僧は「私は海の底に住む波小僧です。命だけはお助けください。その代わり、ご恩返しに、海が荒れたり風が強くなったりする時は、海の底で太鼓をたたいてお知らせします」と言うので、海にもどしてやった。
それ以来、天気の変わるとき、波の音がするようになったと伝えられています。

現在、御前崎市の浜岡砂丘の入り口近くにも「波小僧」の像があります。

 

舞坂宿脇本陣

【東海道湖道編】地元の残したい風景5選

舞坂宿は、江戸時代、東西交通を結ぶ今切渡しの渡船場でした。

脇本陣とは、江戸時代の宿泊施設の一つで、大名・公家・幕府役人が宿泊する本陣の補助的施設となっていました。
通常は武士や一般庶民が宿泊しましたが、本陣の利用が重なった場合などに、本陣の代わりをつとめました。

天保9年(1838)建築された旧脇本陣の「茗荷屋」に、上段の間があった書院棟が残されていました。
旧東海道では唯一の脇本陣の遺構です。

1997(平成9)年に復元。
同年5月17日には浜松市(当時は舞阪町)の文化財に指定されています。

 

渡船場跡北雁木

【東海道湖道編】地元の残したい風景5選

浜名湖に面した舞坂宿と新居宿を結ぶ『今切の渡し』 。
その船の渡船場が舞坂宿には3ヶ所あり、雁木(がんげ)と呼ばれていました。

雁木は階段状になっていて、いちばんを主に大名や幕府役人など、身分が高い人が利用しました。

真ん中は武士、そして南を一般庶民の乗降や馬、荷物の積み下ろしに利用しました。
雁木は「渡荷場(とうかば)」とも呼ばれていました。

本雁木と呼ばれる真ん中の雁木跡と南雁木跡は残っておらず、北雁木のみが残っています。
ここは「北雁木」になります。

 

水神宮と渡荷場跡南雁木

【東海道湖道編】地元の残したい風景5選

小さな鳥居と祠がある「水神宮」
そして、その裏側に「南雁木」がありました。

江戸時代、舞坂宿には3箇所の渡船場があり、ここはそのうち一番南側の渡船場跡で「渡荷場(とうかば)」といいます。
東海道の輸送用荷物の積み下ろしと、庶民の乗降に利用されました。

袖石垣と浪除石垣は、昭和25年から始まった漁港改築工事により、姿を消しました。

「水神宮」は、 もとは30メートルほど東の地点に鎮座していましたが、 現在の地に移されました。
今も、漁師の方々が信仰され、大切にされています。

 

ご紹介の施設の詳細情報

旧東海道松並木

旧東海道松並木

住所 浜松市西区舞阪町浜田
見学時間 自由
駐車場 なし
アクセス 電車・徒歩 JR舞阪駅から徒歩15分
県道49号線沿い

波小僧像

波小僧像のある旧東海道舞阪宿 松並木公園

住所 浜松市西区舞阪町浜田
見学時間 自由
駐車場 なし
アクセス 電車・徒歩JR舞阪駅から徒歩15分
国道1号線と県道49号線の合流地点

舞坂宿脇本陣

舞坂宿脇本陣

住所 浜松市西区舞阪町舞阪2091
電話 浜松市役所西区まちづくり推進課
053-597-1117
見学時間 9:00~16:00
定休日 月曜日
※祝日、振替休日の場合はその翌日
入場料 無料
駐車場 無料駐車場あり
※5台分
アクセス バス JR弁天島駅より遠鉄バス浜名線舞阪町内経由弁天島温泉・湖西方面乗車→「舞阪西町」下車→徒歩1分
電車・徒歩 JR弁天島駅から徒歩12分
国道一号線「新町」交差点を左折
公式HP https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/w-machi/culture_art/maisaka_wakisakahonjin/index.html

渡船場北雁木跡

渡船場北雁木跡

住所 浜松市西区舞阪町舞阪2121-3
見学時間 自由
駐車場 なし
アクセス 電車 ・徒歩JR弁天島駅から徒歩10分

水神宮

水神宮

住所 浜松市西区舞阪町舞阪
見学時間 自由
駐車場 なし
アクセス 電車・徒歩 JR弁天島駅から徒歩10分

旧東海道「舞坂宿」周辺の風景画を描いて・・・

今回は旧東海道「舞坂宿」周辺のスポットをお届けしました。

ご紹介のスポットはいずれも徒歩5~7分圏内で行かれる場所にあります。
JR舞坂駅や舞阪海浜公園からは徒歩15分弱のエリアです。
ちょっと足をのばしてゆったりとお散歩してみてはいかがでしょうか。

江戸時代から何度か修復されていますが、石畳と石垣がある渡船場跡は、人々が行き交う当時にタイムスリップしたような気分に浸ることができますよ。

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この記事を書いたひと

山下清生

山下清生

浜松工業高校デザイン科卒。
3年間印刷会社でデザイナーを経験したあと、ヤマハ発動機(株)勤務。
定年を迎えましたが、引き続き勤務中。

だから、昔から好きだった絵を描くことを再開しました。
(まだ5年くらいは働きますが・・・)
今、描きたいものが、たくさん目の前に現れています。
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<受賞歴>
2020年 2月 「浜松市芸術祭第67回市展」入選
2020年11月 「日本国際水彩画会秋季秀作ネット展2020」入選
2021年 4月 「第21回日本国際水彩画交流展」入選
2021年 6月 「第4回日美展・絵画部門」入選
2021年 9月 「第45回記念新日美展」佳作入賞
2021年11月 「JIWI秋季国際水彩画展2021」入選
2022年 1月 「浜松市芸術祭第69回市展」入選
2022年 6月 「第5回日美展 絵画部門」優秀賞
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◆絵だけでなく小説の執筆活動にも挑戦していました。

1996年(平成8年) 作品「こちら何でも相談室」創元推理短編賞 
2001年〜2005年頃 掛川市大須賀に在住のミステリー作家の「木谷恭介」に弟子入りして、木谷工房に参加
         「玉沖好也(たまおきよしや)」というペンネームで一部下書きとアイデア出し、表紙を担当させていただきました。
2012年(平成24年) 作品「二俣城備忘録」伊豆文学賞 
2020年(令和 2年) 作品「二俣城攻防録」ふじのくに芸術祭2020文学部門小説の部 奨励賞
2021年(令和 3年) 作品「潮流(万石事件)」ふじのくに芸術祭2021文学部門小説の部 入選