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【2017年大河ドラマ「おんな城主 直虎」浜松・井伊直虎ゆかりの地①】名勝庭園と井伊家が祀られている龍潭寺

龍潭寺 本堂

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1676年、龍潭寺第7世住職の喝岩和尚が再建。

 

龍潭寺 中庭

伝左甚五郎作のと歩くたびに「キュッキュッ」と音が鳴る鴬張りの廊下を進むと『補陀落(ふだらく)の庭』が見えます。

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白砂が5本の指のように見えるところから浜名湖の庭として親しまれています。
(案内板より)

確かによく見ると、手を広げているように見えますね。

寺の内部には庭以外にも展示物が色々ありましたが、撮影が可能か不可かがよくわからなかったので、外観や外のみ撮影しました。

明治期の廃仏毀釈の跡が残る展示物も多かったです。
子ども達にいたずら書きされた大仏だったり、土に埋められたり、海に隠された仏像など、歴史の爪痕を残していました。

 

★県指定文化財の開山堂

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本堂の西側にある開山堂。
1702年に第八世住職の徹叟和尚が建立。

朱色の楼閣造りなので、立派に見えます。
中はそんなに広くありませんが、薄暗いです。
展示物は井伊直政像と井伊家で使われていた赤い籠や身代わり地蔵と呼ばれるお地蔵さまがポツンと置かれているだけなので広く感じます。

赤い籠、意外に小さくて、子どもサイズ?というくらいの大きさ。
私は絶対に入れない(>_<)大きさでした。

 

★井伊家御霊屋(みたまや)

龍潭寺HPより井伊家御霊屋(出典 龍潭寺HP)

この御霊屋には、元祖井伊共保、二十二代 直盛、二十四代 直政の木像が安置されています。
さらに江戸幕府を支えた幕末の大老 井伊直弼の位牌も祀られています。

この建物は中に入れません。

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こんな感じで順番に戸の枠から覗いて、内部の木像や位牌を見ることができます。

 

国指定文化財の名勝庭園

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廊下に座布団が並べられ、そこに座って庭を眺めることができます。

こちらの庭園は江戸時代に小堀遠州によって造られた【池泉鑑賞式庭園】です。
池を中心に土地の起伏を生かして山を築き、石を立てたり組み合わせたりした表現で、宗教的な意味を持たせた庭を本堂や屋内から鑑賞するタイプの日本庭園です。

座ってしばらくすると、庭園の説明放送が始まりました。
庭園に配置された石についてのお話です。

庭の中心の山にある石は守護石
そのそばに2つ小さな石が並んでいて、本堂の本尊と同じように三尊石として配置されています。

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また左右に大きな石が一つずつ配置されているのが仁王石(におうせき)
仏の番人です。

岸の手前にある平らな石が礼拝石(らいはいせき)。
または座禅石とも言われ、静かに座って心を整えて、庭の仏にご挨拶する場です。

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池は「心」という字の形をしている心字池
仏の心を表しています。
別名を竜の池、竜池(りゅうち)とも呼びます。

池の中にある石は蓬莱石

中央に仏、左右に仁王、礼拝石が配置され、心字池があるのがお寺の庭の基本だそうです。

ここまでは、「なるほど~!」と庭鑑賞している皆さん、うなずきながら放送を聞いていました。
でも、次の説明が始まった途端、みんなの視線が定まらない・・・キョロキョロ

鶴と亀の石の説明に入りました。
「亀石は蓬莱石の近くの△の石でその上に目玉をあらわす丸い石が2つあります。
△の石の左右に前足の石が……」

亀石っていったい、どの石⁇

娘と一緒に探しているうちに、放送が終わってしまった……

そう思って落胆していたら、またすぐに同じ放送が始まったので聞き直してじっくり石を眺めますが、結局わからず……3回も聞いてしまった。

たぶんこの尖ってるのが亀石‼?

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なんとなく納得して席を立ち、庭園出口から出たら⁉︎

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中の受付横の壁面に、これが置いてありました。
たぶん、放送だけでは、理解できなかった人が多かったのでしょうね~

(私もその一人(-_-;))

これ見ながら放送を聞いたら、バッチリだったかも。

庭園は左手よりも右手に多く石が配置されている遠近法が用いられているそうで、右側から眺めるほうが素敵だそうです。

左側から撮影img_4636

右側から撮影img_4641

右側からの方が石を組んで造られた3つの枯滝(水が流れていない滝)がよくわかり、見応えありますね。
座席が空いていたら左側・正面・右側の3方向からの眺めを楽しんでみてはいかが♪

本堂では、抹茶を一服500円でいただくことができます。
庫裡に入ってからの受付でチケットを購入します。

でも、部屋でいただくので、この美しい庭園は端っこしか見えません。
(というか座る位置では全然見えない!)
庭園を眺めながら戴くことができないのがとっても残念~。

家康くん
年に一度だけ特別拝観として、夜間、ライトアップした庭園を楽しむことができるぞぃ

 

★「井伊直政出生の地」石碑

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1561年(永禄4年)2月9日、直虎の元いいなずけであった直親の息子で井伊家跡継ぎである男子「虎松」が井伊の荘祝田(ほうだ)で生まれました。
15歳の時、「万千代」と名を改め、浜松城で徳川家康に家臣として仕え、22歳で元服して井伊直政と名乗りました。

その後、小牧・長久手の戦い、関ケ原の合戦などに貢献し、徳川四天王として出世。
1590年に群馬県の箕輪城主、1598年に高崎城城主、1601年に滋賀県佐和山城城主になりました。

1602年2月(慶長7年)、42歳で死去しました。

 

★井伊氏歴代墓所

平安時代より室町時代まで、遠江の代表的領主として、この地を治めていた井伊家の歴代のお墓です。

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正面墓石の右手は初代井伊共保、左手には22代の井伊直盛(直虎の父)の墓石です。

左側の5つの並んだ墓石は、奥から…

  • 直盛夫人
  • 井伊直虎
  • 23代井伊直親
  • 直親夫人
  • 24代井伊直政

画像には写っていませんが、右側にある6つの墓石は、井伊家歴代の方々が祀られています。

 

仁王門

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1987年、清山和尚が建立。
本堂の真南でお寺全体の正面に位置し、重厚感ある門です。
仏法を護るという意味の『護法』と書かれた額が掲げられています。

門の外側に金剛力士像「阿像」「吽像」、門の内側に狛犬が並んでいます。
仏教とともに高句麗より伝わり、お寺を守っています。

「阿像」img_4583

「吽形の狛犬」img_4577

 

★龍潭寺御神木「梛の木」と子育て地蔵

御神木「梛の木」img_4585

幹の外周は2.67m、樹の高さは19メートルもあります。
樹齢は推定約400年。

子育て地蔵img_4589

井伊直政が幼少2歳の頃(虎松)、今川氏家臣によって父・直親が掛川城下で殺害。
直政にも殺す命令が出ましたが、直虎の叔父で今川氏の家臣であった新野左馬助親矩(にいのさまのすけちかのり)によって守られました。
直政親子は、この龍潭寺の松岳院(現在の仁王門前にあった)に身を寄せました。

その時に直政の母が、ひそかにお地蔵様を造って祀り、そばに梛の木を植えて我が子の安泰を祈りました。

梛(なぎ)の木

梛の木の「なぎ」は、風や波が穏やかになるたとえで、昔から厄除け災難がおさまると特に船乗りが信仰していました。
梛の葉をお守り代わりにお守り袋に入れて、武士が戦場で兜や鎧に付けたとも伝えられています。

葉脈が縦方向にしかないため、葉が切れにくいため、男女の縁・親子の縁が切れないようにと願い、梛の葉は縁結びのお守りとしても利用されていました。

 

龍潭寺へのアクセス・駐車場

浜松市北区引佐町井伊谷1989
所在地 浜松市北区引佐町井伊谷1989
電話 053-542-0480(代)
開園時間 9:00~16:30(17:00 閉門)
拝観料 高校生以上/500円
小・中学生/ 200円
※30人以上で団体割引があります(要予約)
休館日 毎年 8月15日、12月22・23・24・25・26・27日
※行事によって臨時休館あり
駐車場 無料、大型バス12台、乗用車45台分
※車いす専用駐車場は別の場所にあります
【駐車場利用時間】9:00~16:30
公共交通機関 【バス】JR浜松駅バスターミナル⑮乗り場…44番伊平・渋川行きバス(1時間に1本)→約50分乗車→「井伊谷宮前」下車、徒歩10分弱
45番奥山行きバス(30分に1本)→約50~60分乗車→「神宮寺」下車、徒歩約10分
【タクシー】天竜浜名湖鉄道「金指駅」より約5分
天竜浜名湖鉄道「気賀駅」より約10分

 

龍潭寺紀行まとめ

ゆっくりと建物内部や外の中庭周辺を見学したので、約1時間の滞在でした。

井伊家のお墓だけでなく檀家さんのお墓もありますので、観光地ではありますが、物静かに拝観する雰囲気です。

庭園は評判通り大変素晴らしく、今回は9月初旬の訪問でしたが、これからも四季折々の景色を楽しみたい!と感じました。
次回は秋の夜間特別拝観の11月下旬にぜひ訪れたいです。

井伊直虎のことは、文献が少ないので、詳しくわかっていることは限られますが、知れば知るほど、困難に立ち向かう姿が想像できます。
そして、地元にいろいろな歴史を感じるスポットが点在しているのに触れ、ますます興味が沸いてきました。

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龍潭寺 庭園

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この記事を書いたひと

りこ

りこ

浜松在住歴30年、3人の子育て中の40代主婦です。

パン屋さん・ケーキ屋さん・和菓子屋さん大好き!
お出かけついでに立ち寄ることがささやかな楽しみです。

長年住んでいても、浜松は新発見ばかりです。
子どもとお出かけして出会った、浜松の「楽しい場所」・「人」・「おいしいもの」をお届けしていきます。